2024年の投資成果はいかがでしたか?
早いもので、2024年がもう少しで終わります。皆さまの2024年の投資成果はいかがだったでしょうか?
日経平均株価は年初に比べ上昇しましたが、個別銘柄はまちまちの動きで、大きく上昇したものもあれば年間でみれば横ばいのもの、そして年初から下がったものもあります。
筆者の感覚では、個別銘柄は日経平均株価に比べ弱い値動きのものが多く、よほど銘柄選択が良くない限りは、それほどの利益は見込めない1年間だったように思います。
年前半は確かに利益を伸ばしやすかったものの、年後半、特に9月以降は日経平均株価もTOPIX(東証株価指数)も横ばいの動きが年末まで続き、明確なトレンド(株価の方向性)が生じることなく1年を終えることになりました。
投資成果は「実現損益」+「含み損益」の合計で確認しよう
ところで皆さんは、投資成果を見るときにどのように損益を集計しているでしょうか?
実現損益のみを気にして、含み損益を考慮せずに投資成果を集計している方は結構多いようです。
確かに、バイ・アンド・ホールドの投資スタイルであれば、現時点で含み損が生じても、株価がその後上昇してプラスに転じなければ売却しない、という考え方になるでしょうから、含み損をあえて考慮しない、という考え方もあります。
しかし、バイ・アンド・ホールドでの含み損が必ず将来的に解消されるわけではありません。特に指数とは異なり個別銘柄の場合は、業績が絶好調の時に買ってその後業績が頭打ちになったときなど、株価が大きく下落したまま回復せずに低空飛行を続けるということもあります。
含み損は必ず将来的に回復するとは言い切れませんので、投資成果の計算では実現損益に加えて含み損益も合計した金額を集計するのがよいでしょう。
可能なら売買の内容を振り返り反省点を見つけよう
できれば売買の内容についてはご自身で記録しておき、振り返りに使えるようにすることが望ましいのですが、それができなくても証券会社のサイトを見れば過去の売買についてのデータが残されています。
それを使って、次のような振り返りをしてみると良いでしょう。
(1)なぜその銘柄を買ったのか
(2)なぜその株価で買ったのか
(3)なぜその株価で売ったのか
この三つを振り返ることにより、株式投資の一連の行動である「銘柄を選ぶ→買う→売る」のどこに問題点があるのかを把握することができます。
問題点が把握できたら2025年はそれを解消することを心がけよう
最もまずいのは、(1)(2)(3)とも、明確に回答ができない場合です。
「何となくこの銘柄を選んだ」「何となく買ってしまった」「何となく売ってしまった」では、問題点を炙り出すことすらできません。
まずは、その銘柄を選択した理由、そしてその銘柄をその株価で買った理由、売った理由を明確にできるようにしておきましょう。そのためには銘柄選択や売買にルールを設けることが重要です。
その上で、思うような成果が出なかった方は、上記の(1)(2)(3)のどこに原因があるのかを見つけていきましょう。
例えば、(1)銘柄選びについては「友人から勧められたから」「雑誌に載っていたから」といった受動的な理由だと、うまくいかないことが多いです。ご自身の視点に立って、自分自身で銘柄を主体的に選べるようになることを目指しましょう。
また(2)買い時、(3)売り時については、「早く売ってしまい利益を伸ばせなかった」とか「損切りが遅くなり損失が膨らんでしまった」など、何かしらの理由が見つかることが多いです。それらを探し出した上で、2025年は同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。
このコラムをもって、2024年は最後となります。本年もご覧いただき誠にありがとうございました。
早いもので連載回数800回近くになりましたが、2025年も引き続き個人投資家の皆さんの投資成果が向上するよう、有益な知識・情報を提供してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。
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