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著者の吉田 哲が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「2025年の金(ゴールド)相場は上昇見通し」
記録的な「大幅上昇」を演じた2024年
2024年の金(ゴールド)相場は、以下の図のとおり、歴史的高値に達する急騰劇を演じました。海外の金(ゴールド)相場は昨年(2023年)末比で最大およそ35%、国内は44%、上昇しました。
図:海外金(ゴールド)現物価格と国内地金大手小売価格の推移(1974年~)
2024年は、国内外の主要な株価指数が歴史的高値を更新した年でもありました。歴史的な価格水準で「株高・金(ゴールド)高」が実現したのは、以下のとおり、株高の局面でも金(ゴールド)相場を上昇させる圧力が存在したためです。
図:金(ゴールド)市場を取り巻く環境(2024年)
株高が目立って「代替資産(株の代わり)」起因の下落圧力が強まる局面でも、ウクライナ・中東情勢の悪化がきっかけで「有事ムード(資金の逃避先需要)」が強まったり、米国の利下げ観測によってドル安観測が浮上して「代替通貨(ドルの代わり)」起因の上昇圧力が強まったりして、金(ゴールド)相場は上昇しました。
こうした短中期視点の材料がもたらす上下の圧力だけでなく、中長期視点の材料である、金(ゴールド)の全需要のおよそ20%を超える需要(2023年)を担う中央銀行の買いが続いたこと、超長期視点の材料である、世界分裂やSNS・ESGをきっかけとした混乱を言い換えた「見えないジレンマ」が底流したことも、上昇圧力をもたらしました。
2024年の金(ゴールド)相場は、過去の常識(株と金(ゴールド)は逆相関)をものともせず、力強い上昇を演じました。果たして2025年は、どのような値動きになるのでしょうか。
複数のテーマが同時進行していること、価格はそれらがもたらす圧力が相殺されて形成されていること、同じテーマでもそこから発生する圧力の方向性が変化し得ること、などに留意の上、考えていきます。