円安でも株安
先週の日経平均株価は、1週間で768円下がって3万8,701円となりました。先週は、日米金融政策の発表を受けて、1ドル=157円台まで円安が進みました。円安が進むと、外国人の買いが入って日経平均は上昇することが多かったのですが、先週は「円安で株安」となりました。
日経平均週足:2023年1月4日~2024年12月20日

「タカ派FRB、ハト派日銀」で円安
先週は、日米の金融政策発表を受けて、ドル高円安が進みました。発表された内容は、事前の市場想定とほぼ同じでした。あえていえば、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は市場想定よりもタカ派色が強く、植田和男日銀(日本銀行)総裁は、想定よりもハト派色が強かったと言えます。「タカ派FRB・ハト派日銀」に反応して、ドル高円安が進みました。
12月18日(日本時間19日早朝)、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されました。19日昼に、日銀金融政策決定会合の結果が発表されました。結果は以下の通りです。
先週発表された日米金融政策の内容

FRBは、0.25%の利下げを実施したものの、2025年の利下げ回数(FOMCメンバー予測中央値)は、4回(前回予測)から2回(今回予測)に減少しました。来年、通常スケジュールではFOMCは8回開催されます。8回のうち、2回だけ0.25%の利下げが実施されるという見通しが示唆されました。
トランプ次期政権の政策によってインフレ再燃の懸念もあり、「利下げ終了が近い」可能性を示唆したと取ることもできます。
一方、日銀は、利上げを見送りました。輸入関税の引上げなどトランプ次期政権の政策によって日本および米国の景気にダメージが及ぶリスクを気にしています。また、日本で賃上げ・値上げの良い循環が起こることに、確信が持てないと表明した面もあります。
以上、まとめると、円安が進んだ背景は、株式市場にとってポジティブなものではありません。トランプ次期政権の政策によって米国でインフレが再燃する懸念、日本がデフレに逆戻りする懸念によって、円安が進んだと言えます。いわば、悪い円安であり、それによって日本株が売られたのは当然とも言えます。