2024年10大ニュースをアンケート集計!

 2024年は投資家にとってどんな年だったのでしょう? トウシルはこのほど、お金の専門家や個人投資家が選ぶ「2024年金融・経済10大ニュース」を決定しました。

 プロのアナリストや、投資で成功を収めた個人投資家の目には、今年1年がどのように映ったのか。株式市場に影響を与えた10大ニュースを振り返り、新年の幕開けに備えましょう。まずは10位から7位のニュースを順に見ていきます。

アンケート実施方法:トウシルが選んだ32の金融・経済ニュースの中から、「特に重大」と思うニュース1~5位の回答を得た。1位に5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点と配点し、アンケート結果を集計した。アンケート期間は12月4~11日。

アンケート実施方法:トウシルが選んだ32の金融・経済ニュースの中から、「特に重大」と思うニュース1~5位の回答を得た。1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点と配点し、アンケート結果を集計した。アンケート期間は12月4~11日。

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10位:エヌビディア、時価総額世界1位に。生成AIブーム続く

 

 米オープンAIが対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を公開してから、11月末で2年が経過。生成AIブームはとどまることなく、文章や画像の作成、データ分析など、幅広い分野で技術の応用が進みました。

 株式市場では、米半導体大手エヌビディア(NVDA)がAI関連の花形株として君臨。AIの学習に欠かせないGPU(画像処理半導体)で世界トップシェアを握り、独走を続けています。

 同社の株価は2024年だけでも前年末比2.7倍に上昇しました。

 6月18日には、投資家がその企業につける「お値段」といえる時価総額が約3兆3,400億ドル(1ドル=150円で計算して約500兆円)を記録し、米マイクロソフト(MSFT)を抜いて初めて世界1位に躍り出ました。

 エヌビディアの株価上昇を支えているのはその驚異的な業績成長です。AI技術を駆使したデータセンターの増強に必要な高性能半導体の販売を伸ばしています。

 同社の決算発表には、世界中の投資家が注目を集めます。決算発表後に同社の株価が上昇すれば、米国や日本の半導体関連株が買われる「エヌビディア祭り」、逆に下落すれば関連株も売られる「エヌビディア・ショック」と、世界の株式市場に大きなインパクトを与えるからです。

 11月に発表した2024年8-10月期の売上高は前年同期比90%増。今後も高成長を維持しそうです。

回答者のコメントは?

「生成AIは、世界中のビジネスのやり方を根本的に変える変革を生じると思っている。今年よりも来年、さらにAI関連で大きなニュースが増えると予想する」(窪田真之)「地球上で一番注目の決算と表現されました。こんな会社は二度と出てこないような気もしますし、米国ならまた出てくるような気もします」(岡村友哉さん)と、今後の成長拡大に期待が寄せられました。

9位:米FRB、4年半ぶり利下げ開始。金融引き締めから転換

 中央銀行が金融政策を転換すると、株式市場に多大な影響があります。

 中でも、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)は世界の基軸通貨であるドルの政策金利を決めているだけに、絶大な影響力を持ちます。

 そんな米国FRBは2024年9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、4年半ぶりとなる政策金利の引き下げ=利下げに踏み切りました。

 利下げ幅は通常の倍となる0.5%でした。

 さかのぼること、2022年6月。米国のCPI(消費者物価指数)は前年同月比9.1%を記録する物価高に見舞われていました。背景には、コロナ禍明けの物流停滞や人手不足、ロシア・ウクライナ戦争による資源価格高騰の影響があります。

 当初は物価高を一時的なものとして様子見していたFRBですが、2022年3月からはインフレ退治のために利上げを開始。2023年7月には政策金利の上限を5.5%に引き上げて物価高の鈍化を見守ってきました。

 そして、2024年に入って物価上昇率がFRBの目標とする年率2%台まで下落したことを受け、利下げ路線に政策を転換しました。

 利下げを行うと株式市場にお金が流れ込みやすくなるため、株価にとっては大きなプラスです。FRBは11月、12月にも0.25%の追加利下げを行いました。これが、2024年後半の米国株を大きく上昇させた一因であることは間違いありません。

回答者のコメントは?

「物価など経済指標の多くは『前年同月比』で公表されている。2024年のFRBの利下げ実施が、前年同月比ではカバーできない物価の高止まりが続く中で行われたことで今後のFRBのかじ取りが難しくなった感は否めない」(吉田哲)と先行きを心配する声のほか、「FRBが利下げ局面に転じたことから、ドル安圧力が続く展開になった」(ハッサクさん)と、為替市場のトレンド転換を予想する声もありました。