トウシル:節約で貯金ができたと同時に、投資も始められたと著書にもありました。180度、メンタルも生活も転換できたんですね。投資を始めたきっかけを教えてください!
ふゆこさん:そもそも私は、投資=ギャンブルだと思い込んでいたんですが(笑)、節約について調べるうち、投資に関する動画も見るようになりました。
身近なYouTubeから、さまざまな個人投資家さんが投資テクについて語っているのを見て、興味を持つようになったんです。ただ、人が言うことをうのみにするのはやっぱり怖かったので、証券会社のサイトやマネー系メディアの記事を読んだり、手堅く本を読んだりして、少しずつ勉強をしていきました。
そこで、投資の中にも、投機性が高い投資と、堅実な投資があるんだ、ということを知りました。
中でも興味を持ったのは「非課税」をうたっていたNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)とiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)です。私が始めたときはまだ旧NISA時代の「つみたてNISA」だったんですが、「非課税でお得、貯金感覚で私でもやれそう!」と思い、つみたてNISAを始めました。
トウシル:今の資産は、総資産額4,000万円を突破しているということですが、内訳を教えていただけますか?
ふゆこさん:約60%が全世界型インデックス(eMAXIS Slim 全世界株式:オール・カントリーがメイン)、15%が高配当の米国ETF(上場投資信託)、15%が日本の高配当個別株、10%が現金です。

トウシル:どんな銘柄を保有しておられるんでしょうか?
ふゆこさん:米国ETFはSPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF(SPYD)、バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)、iシェアーズ コア米国高配当株 ETF(HDV)をほぼ同じ金額ずつ購入・保有しています。
日本株で、保有金額が大きいのは、ブリヂストン(5108)、日本特殊陶業(5334)、TAKARA & COMPANY(7921)です。財務優良で高配当な銘柄を選んでいます。
トウシル:資産の振り分け理由を教えてください!
ふゆこさん:全世界株式を対象としたインデックスファンドを、新NISAつみたて投資枠で、月々30万円ずつ積み立てています。インデックスファンドは、「増やす」という意味での合理性で言うと、ナンバーワンじゃないかと私は思っています。
ただ、FIREして、将来、取り崩しながら生活することを目的としている私としては、やや弱点が残ります。現在は脱サラして会社員は辞め、節約系・投資系YouTuberとして、そこからの収入がある状態ですが、将来、収入が途絶えたとき、不労所得がずっと入ってくる状態をキープしたい。
だから、米国株ETFと、日本株の高配当銘柄をしっかり増やしながらホールドして、黙っていてもお金が入ってくる仕組みを作っているところです。
トウシル:守りと攻めのバランスが絶妙ですね。2024年、日経平均株価が乱高下して、かなり荒れた相場でしたが、不安はありませんでしたか?
ふゆこさん:うーん…。取材でも、YouTubeのコメントでも、この話題すごく多いんですけど、私的には、今年それほど乱高下したっていう認識がなくて…。というのも、私は「株価60%マイナス、などの、リーマンショック級の大暴落がいつ来てもおかしくない」と常に思って投資をしているんです。
8月、確かに日経平均株価は大暴落しましたけど、日本株って結局、全世界株のほんの一部でしかないので、全世界向けに投資している私から見るとたいしたことじゃなかった(笑)。ポートフォリオ的に言っても、ほんの15%が揺れた程度で、動揺もしませんでした。
トウシル:まだお若いのに、どんと構えてますね…。
ふゆこさん:実は、2024年8月って、私あんまりYouTubeを更新してなかったんですよ。そしたら一部で「下落のショックが大きくて更新できなかったんじゃないか」ってコメントされてたりしたらしくて(笑)。逆に、あそこで私がもっと配信して、大丈夫だよって言ったほうがよかったんじゃないか、ってちょっと反省しています(笑)。
私にとっては、投資って、人生を楽しむための、資産づくりの手段の一つにすぎないんです。人生で一番大切なのは、家族や大切な人と一緒に過ごす時間だったり、自分の趣味だったりでしょう? 投資って私の中では、大事だけれど優先度はそんなに高くないんです。
下落しちゃったときは、投資はもうほっといて、家で好きなだけぼーっと過ごすか、ドラマ見たり旅行行ったりしてるほうがいいんじゃないかな。
トウシル:不安だった2,000万円問題もいったんクリアし、会社を辞めるという目標も達成した今、ふゆこさんの今後の目標や夢って何ですか? もうある程度クリアしちゃってる状態ですが(笑)。他の記事で、中古の家を買ってシベリアンハスキーを飼いたいって書いてありましたが、あれはどうなりました?
ふゆこさん:あはは(笑)。ハスキーってすっごい大きな犬じゃないですか。14歳くらいになると、ペット介護が必要になったりするケースも多いらしいんですが、あんまり大きな犬だと介護しきれないと思って、最近、豆柴を飼い始めたんです。
トウシル:わぁ、いいですね!
ふゆこさん:はい! それでペット可の物件に引っ越したんですよ。夢だった海外旅行もこの間行けたので、やりたいことや目標、夢はある程度、かなった状態ですね。
あとは、今の仕事がとても楽しいので、お金や節約、投資について、より分かりやすく解説できる力をつけて、過去の私のように、お金がなかったり、仕事が辛くて悩んだりしている人の、問題解決のお手伝いができるように、活動の幅を広げ、深さも深めたい。あとは、YouTubeの収益の一部を寄付するなど、社会の役に立ちたいなと考えています。
トウシル:資産管理は今後どうしていく予定ですか?
ふゆこさん:これまで通り、インデックス積立と高配当株投資を続ける予定です。で、働けなくなったら、高配当株投資から入ってくる配当金と、インデックス投資分を、4%ルールで「定率切り崩し」で補填(ほてん)しながらゆったり暮らしたいですね。
▼4%ルール 形成した資産の4%を取り崩し(現金化して引き出す)、残りの資産は運用を継続する方法。年間の支出の25倍の資産があれば、4%分を引き出すだけで生活費が賄え、元の資産は運用が続けられるので資産総額は大きく目減りすることを避けられる可能性が高まる。 ▼定率取り崩し 資産の「〇%」と、資産額の一定割合を取り崩していく方法。一方で、「毎月〇万円」など一定の金額を資産から切り崩していく手法を「定額取り崩し」という。 |
トウシル:富裕層の出でもなく、普通の会社員で、逆に奨学金というハンディを背負った状態でスタートしたにもかかわらず、短期間で夢を叶えて、人生を楽しんでいるふゆこさんは、たくさんの人の勇気になると思います! 本日はありがとうございました!

>>前編「借金450万円から資産4,000万円に大逆転!節約・投資系youtuber・節約オタクふゆこさんインタビュー[前編]」
企画/構成/取材/執筆:金井雪子