「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第59回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
今日のクイズ
株式投資をするとき、投資する銘柄のPER(ピーイーアール:株価収益率)を見ていますか? PER10倍だから株価は割安とか、PER40倍だから割高といった話を聞いたことがありますか?
今日は、株価の割安割高を測る上で、もっとも重要な指標である、PERについて学びます。まずはクイズです。
<クイズ>以下に、PERの計算式が出ています。【A】および【B】に入れる正しい言葉を、それぞれ【1】【2】のいずれかから選んでください。
個別銘柄のPERは以下の式から計算されます。
PER=【株価】÷【A】
PERは以下の式でも計算できます。
PER=【株式時価総額】÷【B】
【A】および【B】に入れる言葉を、以下【1】【2】から選んでください。
【1】当期純利益(今期予想)
【2】1株当たり利益(今期予想)
用語の説明
クイズを解いていただくに当たり、会計用語が分からない方のために、以下説明します。
◆当期純利益とは?
当期純利益とは、1年間の事業活動の最終的な成果を示す利益です。「純利益」ということもあります。売上収益から、売上原価、販売管理費、支払利息、税金など全てのコストを差し引き、最終的に残る利益なので、「最終利益」と呼ぶこともあります。持分法損益・特別損益なども加えた最終利益です。
当期純利益は、損益計算書に計上され、企業の経営成績を表す重要指標です。損益計算書の一番下に出ているので、英語で「ボトムライン」とも言います。これに対して、損益計算書の一番上に出ている売上収益は「トップライン」とも言います。
◆1株当たり利益とは?
当期純利益を、発行済み株式総数で割ったものが、1株当たり利益です。
例えば、当期純利益が200億円で、発行済み株式総数が1億株ならば、1株当たり利益は200円(200億円÷1億株)となります。
◆当期純利益(今期予想)とは、どういう意味か?
クイズでは、当期純利益(今期予想)と書いてあります。3月期決算企業でいうと、今期予想とは、2025年3月期の予想ということです。日本の上場企業は、原則、今期の業績予想を開示する義務があります。PERを計算する時、企業が開示している、当期純利益の今期予想値を使うことが多いです。アナリストの予想平均を使う場合もあります。
◆1株当たり利益(今期予想)とは、どういう意味か?
当期純利益(今期予想)を、発行済み株式総数で割ったものが、1株当たり利益です。
例えば、2025年3月期の当期純利益(会社予想)が200億円で、発行済み株式総数が1億株ならば、1株当たり利益(今期予想)は200円(200億円÷1億株)となります。