SNSの影響を考える上で重要な「2010年」

 そのSNSは、いつごろから普及し始めたのでしょうか。以下の世界のスマートフォン販売台数がその参考になります。スマートフォンが普及するにつれて、各種SNSが普及していきました。そのきっかけは、2010年ごろでした。日本でiPhone4が発売されたころです。

 その後、2016年ごろまで、世界におけるスマートフォンの販売台数は急速に増えていきました。2018年ごろから頭打ちになっていますが、それでも毎年、12億台程度の販売が行われています。新規需要急増の流れは終了したものの、買い替え需要が継続していると考えられます。

 このことは、すでにスマートフォンが世界全体で入手できる人にほぼ行き渡ったこと、そしてそうした多くの人たちがSNSを利用できる状態にあることを、示唆しています。

図:世界のスマートフォン販売台数 単位:百万台

出所:Gartnerなどのデータを基に筆者作成

 SNSが世界に影響を与えたことを考える上で、「2010年ごろ」を外すことはできません。これ以降の図全てに、上の図と同様、「2010年ごろ以降」と書かれた黄色の枠がありますので、注目してみてください。

 SNSは選挙戦においてゲームチェンジャーの存在だと述べましたが、実際の影響は選挙だけでなく、民主主義の形すら変えていると、筆者は考えています。