2024年10-12月期の納車台数を楽観、2025年には相次ぎ新型モデル投入へ

現地コード 銘柄名
09868

小鵬汽車

(シャオペン)

株価 情報種類

50.20HKD
(11/20現在)

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 中国の新興EV(電気自動車)メーカー、小鵬汽車の2024年7-9月期の総売上高は前四半期比24.5%増の101億200万元(前年同期比では18.4%増)。新ブランド「MONA」シリーズの第1弾となる「MONA 03」の投入に伴い、平均販売価格が低下し、販売台数の伸びを下回る増収率となった。車両粗利益率の改善ペースも緩やかだったが、経営陣は続く10-12月期についても粗利益率のさらなる上昇を見込む。また、経営陣が発表した10-12月期のガイダンスでは、11月と12月の納車台数見通しは各3万1,000-3万4,000台で、これは予想を若干上回る数字。BOCIは「買い替え補助金制度」の2025年の継続に関する不透明感などから、一部投資家が年内に利益確定売りに動くと予想しながらも、同社が優れたコスト構造と技術を伴う強力な製品サイクルに突入しつつあると指摘。利益率や財務の改善につながる可能性に言及し、株価の先行きに強気見通しを継続した。

 エントリーレベルの「MONA」を投入した影響で、7-9月期には平均販売価格が低下。販売台数が前四半期比54.0%増加したにもかかわらず、車両販売収入は同29.0%増の88億元だった。1台当たり平均販売価格は18万9,000元と、前四半期比16.3%縮小している。

 車両粗利益率は7-9月期に前四半期を2.2ポイント上回る8.6%。「MONA 03」の構成比の拡大により、同業他社や業界平均より鈍い改善ペースとなった。ただ、経営陣は10-12月期も粗利益率の改善が続くとみている。粗利益率2桁を誇る「P7+」モデルの販売構成比の上昇やスケールメリットの拡大がその理由という。

 売上高の伸びと粗利益率の改善にもかかわらず、7-9月期の非GAAPベースの純損失は前四半期の13億元から18億元に拡大した。「MONA」発売に伴う大規模販促で、全体の営業費用が33億元に拡大した上、非経常損失の計上が響いた。ネットキャッシュは31億元の幅で縮小したが、経営陣は10-12月期の納車台数の大幅増がキャッシュフローの改善につながると予想。下期のフリーキャッシュフローのプラス転換を予想している。

 経営陣によれば、10-12月期の納車台数見通しは8万7,000-9万1,000台で、1台当たり売上高は前四半期比で最大4万1,000元縮小する見込み(7-9月期は21万7,000元)。広州工場と肇慶工場は2交代制にシフトし、それぞれ年産能力20万台を確保したという。

 BOCIは2024年、2025年の予想販売台数を19万台、38万台に小幅に上方修正する半面、平均販売価格に関する想定値を19万3,000元、17万5,000元に下方修正。予想売上高を407億元、702億元に据え置いた。同社の現在株価は2024年予想PER(株価収益率)で1.3倍。2025年に発表される強力なニューモデル群(新型モデル4種と複数の改良版を発売見込み)を考慮すればかなり魅力的な水準にあるとし、目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。一方、短期的には年末に終了予定の買い替え補助金制度を中国当局が延長するかが焦点になるとしている。