基本的には「NISAつみたて投資枠→iDeCo」でどうか
さて、枠が広がるとして、より具体的な活用法を考えてみましょう。仮に「月8,000円」の枠拡大がiDeCoで得られる場合、
- 従来の貯蓄や積立投資は継続し「月8,000円」増額
- 従来の貯蓄枠から「月8,000円」を移す
- 従来の積立投資枠から「月8,000円」を移す
が考えられます。理想的には新たな月8,000円の資産形成増額といきたいところですが、新規に節約を8,000円実現するのはなかなか難しいかもしれません。
そうなると、他の積み立てからシフトする選択肢も考えることになります。積立定期預金などに回していた8,000円を移すか、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)などで積立投資をしていた8,000円を移すかを選ぶことになります。
運用リスクを高めてもいいなら、積立定期からiDeCoとなります(iDeCoの中で元本確保型商品を買うことも可能)。リスクを今と同程度とり続ける、ということであればNISAなどのつみたて投資枠から8,000円減額してiDeCoを増額する、ということになります。
税制メリットとしては所得控除のメリット獲得は優先して考えたいところです。「NISA積み立て分→iDeCo積み立て分」だけ所得税・住民税が軽くなると考えればこれはアリです。NISAの総枠1,800万円が満額に達する日も、少しだけ遠くにずらすことができます。
もし年9万6,000円増額できたらどれくらいの老後資産増になるか
新規に月8,000円(年9万6,000円)を、iDeCoの投資に回すことができたとして、iDeCoの最終受取額をどれくらい増やす効果が期待できるでしょうか。
年齢にもよりますが、仮に35歳の人が65歳まで積み立てたとします(積み立て期間30年)。運用益は年3.5%とします。
元本の増加は288万円にもなります。月8,000円がこれだけの差をもたらすと考えればそれも大きいのですが、運用益を加えると508万円まで資産増となります。
すでに行っている月12万円の資産形成と加えれば、老後の強力な援軍となることが分かります。
また、節税額も大きい。仮に掛金の20%相当額が節税だと仮定すれば116万円ですから、納税されるはずだったお金が自分のiDeCo残高を高めたと考えれば、積立定期や積立投資をシフトする価値もあります。
新規に増額するか、ひとまず他の積立からシフトするかはそれぞれの判断ですが、大切なのは「自分で2万円に増額する手続き」を行うことです。
iDeCoでは自動増額はされませんので、掛金引き落とし(2025年1月分)に間に合うように、増額手続き、忘れずに行いましょう。