※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の土信田 雅之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「【テクニカル分析】今週の日本株 新年相場は「上昇ライン」への復帰が焦点~意外と弱気な米国株のムード転換がカギ~<チャートで振り返る先週の株式市場と今週の見通し>」
国内株市場は今週6日(月)より2025年相場がスタートです。
昨年(2024年)末にかけての日経平均株価は、4万円台を回復する場面を見せるなど、「悪くない」状況だっただけに、新年相場はこの4万円台の定着、そして、さらに上を目指す動きにつなげることができるかに期待したいところです。
そこで、今回のレポートでは、国内株市場が休場だった期間の米国株市場の動きや、今週のポイントなどを整理し、その可能性について考えて行きたいと思います。
日経225先物取引の状況からは、株価水準を切り下げてのスタートが予想される
まずは、昨年末(2024年12月30日)の日経平均の状況から見て行きます。
図1 日経平均(日足)の動き(2024年12月30日時点)
昨年末12月30日の日経平均は3万9,894円で取引を終えました。前営業日にあたる27日(金)の終値が4万0,281円となっており、年末株高のアノマリー(経験則)である、「*掉尾の一振」を想起させるような値動きとなりました。
*掉尾の一振(とうびのいっしん):年末最後の売買日となる「大納会」に向けて株価が上昇する様子
結局、10月から続いていたレンジ相場内に株価を戻して2024年相場を終えてしまいましたが、この27日(金)の上昇は、短期的なトレンドにおいて、重要な意味を持っています。
図2 日経平均(日足)の動き その2(2024年12月30日時点)
上の図2は先ほどの図1に複数のトレンドラインを書き加えたもので、昨年12月23日付のレポート「[今週の日本株]今年の「掉尾の一振」への期待度は?~2024年は株価上昇の意味が問われる年末に~」でも紹介しました。
注目するのは、昨年8月5日の安値と10月15日の高値を起点とする上向きの「ギャン・アングル」です。株価がレンジ相場を続ける中、12月頃に「2×1」ラインにタッチし、しばらくその線に沿って上昇していたのが、12月23日のレポートで紹介した時点ではその傾向が崩れ、「3×1」ラインに向かう可能性について指摘していました。
それが、年末にかけての株価上昇によって、再び「2×1」ラインに近づいたこと、そして、ギャン・アングルの起点にもなっている10月15日の高値を超えたことも、トレンドが上向きへの意識を強めるきっかけになったと考えられます。
しかし、国内株市場が休場だった期間のCME(シカゴ先物取引所)の日経225先物取引の値動きをチェックすると、1月3日(金)時点の終値が3万9,530円と、若干株価水準を切り下げていますので、新年相場の日経平均は、その切り下げたギャップを埋められるかが最初のハードルになります(下の図3)。
図3 日経225先物(CME)(日足)の動き(2025年1月3日時点)