米国市場の初期反応は「迷い」?

 続いて、今回のFOMCの結果に対する米国市場の初期反応についても見ていきます。

<図3>米NYダウ(1分足)の動き(2024年9月18日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを元に筆者作成 上の図3はNYダウの分足(1分足)チャートです。

 FOMCの結果が公表された日本時間午前3時直後のダウ工業株30種平均は大きく上昇し、400ドル近く上昇する場面を見せたものの、以降は200ドル近い値幅での乱高下が繰り返され、結局、前日比103ドル安(0.25%安)の4万1,503ドルで取引を終えていることが分かります。

 ちなみに、S&P500種指数は前日比で0.28%安、ナスダック総合指数も0.31%安でこの日の取引を終えています。

 また、金利や景気の影響を受けやすいとされる中小型株で構成されているRussell2000の分足を見ても同じように、株価が上昇した後に、大きく上下する展開となっています(下の図4)。

<図4>米Russell2000(1分足)の動き(2024年9月18日時点)

出所:Bloombergデータを元に筆者作成

 さらに、為替市場についても、公表直後に1ドル=142円前後から、140.50円まで円高が進みましたが、30分後に開催されたパウエルFRB議長の記者会見が始まったあたりから、円安方向へとかじを切っていきました。

<図5>米ドル/円(1分足)の動き(2024年9月18日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを元に筆者作成

 このように、FOMCの結果に対する米国市場の最初の受け止め方は、方向感が定まらず、迷いが感じられる印象です。

 もっとも、米国株市場では、直近のNYダウやS&P500が最高値圏にあったため、イベント通過によって、ひとまず利益確定売りが優勢になったとも考えられます。実際に、図3でもFOMC直後のNYダウが4万1,981ドルまで上昇して一時的に最高値を更新し、節目の4万2,000ドルに迫る場面があったことが確認できます。

 従って、早い段階で上昇基調を取り戻す展開も想定しておく必要があるわけですが、米FRBの「利下げサイクル」入りが支えとなるかが注目されます。