「株式」とは?

 会社名の前や後に「株式会社」がついているのを見たことがある、聞いたことがあるという方も多いと思います。「株式会社」とは、その会社が商品やサービスを提供することで出した利益だけで運営されているわけではなく、一般の人々から資金を集めて運営している会社であることを示しています。

 企業は、人材を雇ったり、工場を作ったり、新製品やサービスを開発したりするために、多くの資金が必要です。その資金は、企業の売り上げだけで賄うには足りないことが多々あります。長期にわたって安定した資金を調達するための手段の一つが「株式」の発行です。株式は、資金を出してくれた人に発行する「証券(≒権利書)」のことです。株式を持っている人のことを「株主」と呼び、株主は

  1. 会社に利益が出たとき、出した資金に応じたお礼=配当がもらえる
  2. 株主総会に出席し、経営に参加できる

などの権利があります。

株主と企業の関係図

 株式会社の中でも、上場している「上場企業」と、上場していない企業「非上場企業」があります。上場企業とは、証券取引所を通じて、一般の人々が株式を売買できる企業のことです。

 一般の人々でも株主になることができるため、不特定多数の人々から資金を集めることができ、より多くの資金を集めることができるのが特徴です。

 日本には、令和2年時点で、法人が*約280万社以上あります。

*国税庁 会社標本調査 令和2年度調査

 株式市場で株式を取引できる企業=上場企業は、**約3,800社です。

**日本取引所グループ

 株の価格は、いつも同じではありません。新製品がヒットしたり、世界的な成功を収めたりするなどの理由で企業の知名度や社会的信頼度は高まります。株の数は限られているため、こうした理由で「その会社の株が欲しい」(買いたい)という人が増えた場合、その企業の株価は高くなります。

 半面、企業の悪い情報が報道されたり、経営がうまくいっていないことが判明したりした場合は、「その会社の株を手放したい」(売りたい)という人が増えるため、株価は下がります。

 株式を売りたい人、買いたい人は、世界中にたくさんいますが、その中で自分の買いたい株式を、希望に近い値段で売りたい人、売りたい株式を希望に近い値段で買ってくれる人と出会うには大変な苦労が必要です。そこで、株式の売買をスムーズに行うために作られたのが、「株式市場(マーケット)」=「証券取引所」です。

 株式を売買したい人は、証券会社を通じて証券取引所に注文を出します。証券取引所では、「●●会社の株をxx円で売りたい人&●●会社の株をxx円で買いたい人」などのように、多くの注文の中から条件に合う注文がマッチングされ、約定(売買が成立)します。

 株式投資は、購入したときよりも株価が上がったタイミングでその株式を売り、その差分で利益を得ることができます。しかし、業績が悪化して、購入したときよりも価格が下がった場合は、損をします。株価は、さまざまな理由で日々変化しているため、元本保証がありません。株式投資をする際は、メリットだけでなくそのリスクをよく理解した上で行うことが必要となります。