金相場は続伸。前日に5カ月ぶりの高値を付けたが、この日も堅調さを維持している。政治的緊張が続く中、安全資産としての金買いの動きが続いている模様。

北朝鮮やシリア情勢、フランス大統領選挙に対する懸念が投資家を金に向かわせているとみられる。重要な節目だった1,270ドルを超えており、新たなステージに入っているといえよう。今後も中東や北朝鮮など世界的な緊張や低金利状態が続けば、金相場の上昇基調は変わらないだろう。

一方、ゴールドマン・サックスは短期的な下値を1,276ドルとしたうえで、3、6、12カ月予想をそれぞれ1,200ドル、1,200ドル、1,250ドルとした。ゴールドマンは「トランプ大統領絡みの株式のポジション外しや、地政学的リスクの高まりで、金相場は今後数週間上昇する可能性がある。ただし、今後3カ月では、米国経済指標の改善や実質金利の上昇で、金相場は下向くこともあり得る」と指摘している。

現在の金相場は地政学的リスクを意識した動きであり、株価が戻せばいずれ調整するだろう。一方でFRBの利上げペースの鈍化やトランプ政権のドル安政策、さらに原油高によるインフレリスクもあり、調整は限定的となり、再び上向くことになろう。

非鉄相場は下落基調。シリア・北朝鮮情勢の悪化や米ロの対立を背景に、リスク回避的な動きにある模様。ドル安基調は材料視されていないようである。アルミは重要な節目の1,900ドルまで調整している。銅は5,700ドルの節目を割り込んでおり、買いが入らなければ5,300ドルまで下げる可能性が出てきている。

ニッケルも重要なサポートの9,900ドルを割り込んでおり、直近安値をうかがうところまで下げている。亜鉛は2,530ドルで下げ止まるかが重要なポイントになっている。このように、かなり重要な局面に来ているが、ロンドン市場が14日と17日に休場となることもあり、今日の市場で一段安となる可能性も否定できないだろう。割安感が出ているが、いったんは下値を試すことも念頭に入れておく必要があるだろう。

一方、中国の3月の生産者物価指数(PPI)上昇率は前年比7.6%で、2月の7.8%から減速した。伸び率の鈍化は7カ月ぶりで、鉄鉱石と石炭の下落が影響したとみられる。消費者物価指数(CPI)は前年比0.9%上昇だった。

ただし、中国人民銀行(中央銀行)が容認する範囲にとどまっており、緩やかな引き締め策が継続される余地があるとみられている。中国では鉄鋼生産が増えており、今年は供給過剰に陥るとの指摘がある。

原油は反落。最近の上昇に対する売りが出た模様。米エネルギー情報局(EIA)発表の週間石油在庫統計では、原油在庫が前週比220万バレル減、ガソリン在庫が同300万バレル減、ディスティレート在庫が同220万バレル減だった。

ただし、市場は原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が前週比27万6,000バレル増加したことに注目した模様。ただ、市場筋によると、クッシングの利用可能な原油在庫はわずか1,000万バレルとの声があり、実態の在庫は多くないとの指摘もある。

一方、製油所がメンテナンスシーズンを終えたことで、原油在庫は今後減少する見通しである模様。ただし、米国内の生産量が、リグ稼働数の増加を背景に日量923万バレルと、前週から3万バレル増加するなど、増加傾向が続いていることは相場の重石になりやすいとみられる。

一方、OPECが発表した3月の産油量は前月比約15万3,000バレル減の日量3,192万8,000バレルとなり、昨年の減産合意で設けた3,250万バレルの生産上限を1月・2月に続いて下回った。

サウジアラビアやカタールは増加したが、イランなどの生産が減少し、合意を順守する形となった。減産合意では、加盟13カ国のうち、リビアとナイジェリアを除く11カ国に国別上限の生産水準を設定した。

3月の産油量が上限を上回ったのはアルジェリア、エクアドル、ガボン、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)の5カ国で、2月の8カ国から減少した。2月に生産枠上限を上回ったイラン、ベネズエラ、クウェートの3カ国は、それぞれ減産で同水準をクリアした。

イランは0.8%の減産で、カタールは2月の産油量を従来発表の日量62万2,000バレルから59万5,000バレルに下方修正して生産枠上限を下回り、3月は増産に転じたものの生産枠の範囲内に収まった。サウジは0.4%増産したが、上限を下回った。

ただし、自己申告ベースでは1.1%の減産だった。一方、内戦を理由に減産を特例免除されたリビアの生産量は8.9%減、ナイジェリアは1.9%減だった。一方、17年の世界の石油需要見通しは、1~3月期の中国の経済指標が予想より好内容だったことを踏まえ、前年比127万バレル(1.33%)増の日量9,632万バレルに上方修正した。

また供給については、原油価格の回復を受けて米国内のシェールオイルの生産が増加していることから、非加盟国による17年の供給量見通しは日量58万バレル(1.0%)増の5,789万バレルに上方修正した。従来予想は同40万バレル増だった。

ロイターの算出によると、減産目標を割り当てられた11カ国の3月の合意順守率は平均で104%に達した。減産が続けば、結果的に世界の石油需給は改善方向に向かう。OPECが年末まで減産期間を延長すれば、石油需給の改善はより確実になり、原油価格の上昇のシナリオも見えてくるだろう。

また、トランプ政権のドル安政策もドル建てで取引される原油相場の支援材料になるだろう。ただし、短期的には買われすぎ感が強いため、いったんは調整する可能性は十分にある。その場合でも、52.40ドルから最大で51.40ドル程度で下げ止まれば、再び上昇に向かいやすいだろう。