ドラゴン桜』などの著書で知られる三田紀房氏。連載当初から大きな話題となった投資マンガ『インベスターZ』は、中学1年生の主人公・財前孝史が、ひょんなことから投資知識を身につけ、数億円の資産を運用しながら社会と、そして自分の人生と深くかかわっていく壮大なマンガです。

 トウシルでは、この『インベスターZ』の番外編の書下ろしマンガを短期連載。さえない人生を予感して腐っている先輩に、財前孝史は何を説くのか…。先輩と財前の対話から、何から手をつけていいのかすら分からない若者が、まず何をすべきか、何を考えるべきかが見えてきます!

 全5話、不定期・金曜日に更新中です。要チェック!

投資マンガの金字塔『インベスターZ』。投資を始める前の人、投資でなかなか勝てない人必読!

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株の値動きに一喜一憂するのは時間の無駄! 時間を味方につけるって?

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~To Be Continued~

 高校の家庭科に加わった金融教育に合わせ、「人生を変える!令和の投資教育」として始まった、投資マンガの金字塔『インベスターZ』の番外編。

 今回、第二話に出てきた「時間を味方につける」って、どういうこと?

 この企画にも関わっていただいている元トレーダーで、社会的金融教育家の田内学さんに詳しいお話をうかがってみました。

 個人の未来を考える時に、学費や結婚などライフプランのためにお金が必要なのであれば、稼ぐことを目的とした短期売買や個別株への投資をするべきではないと思っています。将来的に必要なお金がわかっている場合、リスクが大きくギャンブル的なことをするのではなく、一歩一歩着実に積み重ねていくことの方が重要だからです。

 ずっと株価を気にする生き方でいいの?

 短期売買をすることで、「この株が今上がりそうだ」と買ったり、株価チャートの分析をしたりと、株価にとらわれる時間が増えます。一般の人にとって、株の短期売買は純粋に時間の無駄遣いです。

 プロの投資家は、そもそも情報をたくさん持っているし、資金力もあります。行動経済学を踏まえたテクニックも使っています。前回お話したように、投資のことを四六時中研究し、仕事にしているプロもいるほどで、一般人が平均以上にもうけることはとても難しい。まさしく「格闘家に真剣勝負で勝つ」ことを狙いに行くようなものです。

 

「お金で時間を買う」ことがあるくらい、時間は大切なものです。例えば、自分で料理を作ることもできるけど、人にお願いして作ってもらうことで自分の時間を確保するためのアウトソーシングすることもありますよね。

 自分の大切な時間を、株のことを常に頭の片隅に入れて一喜一憂しながら過ごすのは非常にもったいないことです。プロとしてやっていく!ということであれば止めませんが、ずっと株の上がり下がりを気にして生きていくことになります。

 そこに時間を使うくらいならば、家族との時間や好きなことをする時間を大切にしたいし、コツコツ働くことが大切だと僕は考えています。

時間を味方につけるとは

 そうは言っても、「自分は株式投資もやってみたいから、この記事を読んでいるのに」という方も多いかと思います。そんな方は、余裕資金を使って、会社を応援するために株式を持つのがいいでしょう。応援したい、ファンだから、長期的に会社の株を持つ。株式投資をする場合は、あくまでも余裕資金で、長期投資にして、置いておくというものです。

 余裕資金で投資をするということは、「自分の中で余っているものを社会に提供する」ことでもあります。資本=お金だと考える人が多いと思いますが、お金だけでは事業はできなくて、事業をするための「人」も資本になります。

 お金だけではなく、自分の中で社会のために提供できるものは何なのかを考えてみてください。若い人は、お金はないとしても、時間や自分の能力があれば、それを使った方がいい。

 日本の個人の預金残高は1,000兆円を超えていると言われています。あなたが100万円の投資をするとしても、世の中に流通するお金から見ると微々たる量です。さらに、その100万円は誰が持っていても同じ100万円で、そこにあなたらしさ、希少性はありません。大してお金がないのに、市場にお金を差し出しても、ほとんどリターンは得られません。しかし、市場にとって足りないものを提供できれば、返ってくるものは多いのです。

 例えば将来有望なベンチャー企業でも、お金を集めることよりも、同じ価値観で一緒に働いてくれる人を見つけることに苦労します。そういう意味でも、若い人は、まずは自分の時間・労力や能力を積極的に市場に提供していく方が理にかなっているのです。

 前回、マンガでもあった通り、「投資の本質は、未来を真剣に考えること」です。

「時間を味方につける」とは、長期投資のことと言える一方で、必要な時に自分の力を使うために、オリジナルな経験や強みを磨いて、時間をかけて自分の未来をつくっていくことでもあるのです。

 若いうちは好きなことに打ち込んだり、学んだりしながら社会との接点を増やすことが大切です。その過程で「応援したい」と思える、投資したい会社とも出会えるかもしれません。社会生活が長くなると、「この技術が生かされているから応援したい」など、経験に基づいた株の買い方もできるようになります。この視点はプロのトレーダーでも知り得ない、それぞれの社会生活があるからこそ得られる視点です。もちろん、自分を磨いているうちに、株式投資なんてせずに、自分のスキルをそのまま価値に変えた方が良かったという結論にたどり着くかもしれません。そのためにも、若いうちはさまざまな経験をして、価値観を培う時期なんです。

 どうしても株式投資に興味があるのであれば、余裕資金で失敗する可能性があることを理解した上で挑戦してみるのは良いのではないでしょうか。

 それこそ、Nintendo Switchを買って、めっちゃおもろいやん!と思って、会社を応援するために株を買うとか、そんなシンプルな考え方でいいんです。

 

田内学(たうち・まなぶ)
お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門著者。

 1978年生まれ。東京大学入学後、プログラミングにはまり、国際大学対抗プログラミングコンテストアジア大会入賞。同大学院情報理工学系研究科修士課程修了。

 2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日銀による金利指標改革にも携わる。2019年退職。現在は、社会的金融教育家として、学生や社会人向けの講演・執筆活動や財政政策などの政策提言を行なっている。

Twitter:@mnbtauchi
note:note.com/mnbtauchi/
Instagram:@tauchimnb

(構成:片岡由衣)

三田紀房公式サイト

『インベスターZ』とは!

『モーニング』(講談社)にて2013年28号から2017年29号まで連載され、100万部のベストセラーとなった投資マンガ。作者は『ドラゴン桜』などでも知られる三田紀房氏。

 主人公の財前孝史は中学1年生。北海道の進学校である道塾学園に満点かつトップの成績で入学する。野球部に入ろうとしていた財前は、校内の図書館奥の地下室に連れこまれる。

 秘密の地下室で麻雀をして遊んでいた先輩たち5人は、なんと、学費を無料にするため、道塾学園の資産3,000億円を投資で運用し、学校の運営資金を稼ぎ出す「投資部」の面々だった!

 成績トップの入学者を入部させる、という代々のしきたりに従って、半ば無理やり、得体のしれない「投資部」に所属することになった財前。投資のイロハを先輩から教わりながら、自分なりのロジックで投資を開始する。しかし、道塾学園の創設者一族である、アメリカ在住の高校2年生・藤田慎司と口論になり、投資部の存続を賭けた三番勝負を行うことに。最初の勝負はFX(外国為替証拠金取引)取引。元手は1億円、期間は3日間で、元手を増やしたほうが勝ち、というルールだが、アメリカ在住で為替通、しかもFX取引に強い慎司に、はたして財前は勝利することができるのか!?

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