楽天Kobo✕トウシル『インベスターZ』10巻が無料で読める!

「投資」で一発逆転とか考えてたら、ずっと大切なものを奪われ続ける人生になる!?

 『ドラゴン桜』などの著書で知られる三田紀房氏。連載当初から大きな話題となった投資マンガ『インベスターZ』は、中学1年生の主人公・財前孝史が、ひょんなことから投資知識を身につけ、数億円の資産を運用しながら社会と、そして自分の人生と深くかかわっていく壮大なマンガです。トウシルでは、この『インベスターZ』の番外編書下ろしを短期連載。子どもはもちろん、大人にもぜひ読んでもらいたい作品です!

 

~To Be Continued~ 不定期/金曜日に更新予定です!

 

「投資」で一発逆転とか考えてたら、ずっと大切なものを奪われ続ける人生になる!?

 高校の家庭科に加わった金融教育に合わせ、「人生を変える!令和の投資教育」として始まった、投資マンガの金字塔『インベスターZ』の番外編。

 第一話から、ショッキングなセリフが出てきていますが、それは本当なのか?

 この企画にも関わっていただいている元トレーダーで、社会的金融教育家の田内学さんに詳しいお話をうかがってみました。

 いきなり身も蓋もないことを言いますが、大儲けすることが目的で、投資を勉強しようとしているならやめた方がいいです。カモにされるだけです。

 僕は、20年近く金融業界にいましたが、明日株が上がるか下がるかなんて、専門家だってほとんどわかっていません。

 だからこそ、「金融や投資の勉強=儲ける方法を学ぶ」という空気があることに、危機感を持っています。

 ではいったい何のために、金融や投資を勉強するのか? 子どもたちには、次の2つを目的にしてほしいと思っています。

 1つは、1人ひとりが長期的な視線に立ってライフプランを立てられること。

 もう1つは、金融・投資は、「世の中の人が共に働く社会」を実現するためにある、と気づいてほしい、ということです。

「カモ」をつくるのではなく、「価値」をつくる

 投資によって社会は成長すると言われます。

 たとえば情報技術に大量のお金が投資されたことで、私たちの生活は便利になりました。この記事だって、どこかに雑誌を買いに行くことなく、スマホで簡単に読めます。

 新しい技術を開発する人がいたり、新しいスキルを身につける人が増えたり、新しい事業に挑戦する人たちが出てきたりすることで、社会は成長していくんですね。

 ところが、みんなが目先のお金儲けだけを考えた投資ばかりがんばるようになって、働くことの技術やスキルが変わらなかったら、新しい挑戦をする人がいなくなったら……どうなると思いますか?

 新しいサービスも生まれないし、社会は成長しません。株を買った人にも利益が全く入ってこなくなってしまいます。

 投資によって社会が成長するのは、そのお金(投資マネー)を受け取って新しい事業に挑戦する人がいたり、研究開発をがんばる人がいるからです。彼らの働きが未来の社会に価値を生むのです。

 株価が上がっていき転売を繰り返す人は儲かりますが、なぜ儲かるか?というと、反対側には高く買っている人がいるからで、社会には、価値が生まれていません。

 社会的観点で見れば、そこに「価値」はなく、高値をつかまされた「カモ」がいるだけになってしまいます。

「儲けよう」とばかり考えることは、自分にとっててっとり早くお金を払ってくれる「カモ」を探すようなこと。しかし、その「カモ」を探す行為は、自分自身もまた「カモ」になる危険をはらんでいます。

 投資のことを四六時中研究し、仕事にしているプロもいますし、投資が注目されている今の時代、騙そうとする人たちもいます。目がお金マークになっちゃうと、つい、おいしい儲け話に飛びつきそうになってしまいます。

 皆さんには、そういう「カモ」には、なって欲しくはありませんし、誰かを「カモ」にしても欲しくもありません。

インベスターZ 第1巻 credit 1 ©︎Norifusa Mita / Cork

 重要なのは、「世の中の人が共に働く社会」で「価値」をつくっていき、自分もみんなも幸せになることです。

勉強すれば投資で勝てるのか

「勝ち負け」という考えは好きではありませんが、投資での勝ち負けを考えてみましょう。

 私自身がトレーダーをしていた感覚だと、投資初心者が一生懸命時間をかけて投資を学んでも、平均以上に儲けるのは簡単なことではありません。

 投資所得を増やすのは難しいですが、労働所得は異なります。自分のスキルや能力を上げることに時間をかければ、平均を超えられる可能性は高いです。自分が投資マネーを受け取って働く側になればいいのです。投資がブームになればなるほど、未来の社会に価値を生み出せる人にお金は支払われます。

 また、自分の幸せと向き合うことも大事です。自分が将来、何に時間を使いたいか、何を成し遂げたいかがわからないと、とりあえずお金を増やそうと思いがちです。そのうちお金儲け自体が目的になり、生きる目的を見失うことになりかねません。

 金融教育では、望むべき未来のために、長期的なライフプランを考えられることを目指しています。将来の目的があったうえで、お金が必要だから、じゃあ蓄えましょうという話です。欲しいものや必要なことを、まず先に考えたいですね。

 そのためにも、若い皆さんには、自分の力を伸ばすこと、有意義な学びや経験に時間やお金を使うことが大切だと思います。

 そして、「自分の学んだことや仕事が、社会に対してこういう価値を提供できるのかもしれない」と、「誰のために、誰が働くことになるのか」を想像したいですね。自分の財布の中のお金の勘定をするだけではなくて、お金を通して財布の外側の社会とどのように繋がっているのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 そうは言われても、第1話の終わり方同様に、「投資」なんて、なかなかわからないのも事実です。

 この連載では、みなさんやインベスターZと一緒に「投資の本質」を考え、伝えることができたらと思っています。

田内学(たうち・まなぶ)
お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門著者。

 1978年生まれ。東京大学入学後、プログラミングにはまり、国際大学対抗プログラミングコンテストアジア大会入賞。同大学院情報理工学系研究科修士課程修了。

 2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日銀による金利指標改革にも携わる。2019年退職。現在は、社会的金融教育家として、学生や社会人向けの講演・執筆活動や財政政策などの政策提言を行なっている。

Twitter:@mnbtauchi
note:note.com/mnbtauchi/
Instagram:@tauchimnb

(構成:片岡由衣)

三田紀房公式サイト

『インベスターZ』とは!

『モーニング』(講談社)にて2013年28号から2017年29号まで連載され、100万部のベストセラーとなった投資マンガ。作者は『ドラゴン桜』などでも知られる三田紀房氏。

 主人公の財前孝史は中学1年生。北海道の進学校である道塾学園に満点かつトップの成績で入学する。野球部に入ろうとしていた財前は、校内の図書館奥の地下室に連れこまれる。

 秘密の地下室で麻雀をして遊んでいた先輩たち5人は、なんと、学費を無料にするため、道塾学園の資産3,000億円を投資で運用し、学校の運営資金を稼ぎ出す「投資部」の面々だった!

 成績トップの入学者を入部させる、という代々のしきたりに従って、半ば無理やり、得体のしれない「投資部」に所属することになった財前。投資のイロハを先輩から教わりながら、自分なりのロジックで投資を開始する。しかし、道塾学園の創設者一族である、アメリカ在住の高校2年生・藤田慎司と口論になり、投資部の存続を賭けた三番勝負を行うことに。最初の勝負はFX(外国為替証拠金取引)取引。元手は1億円、期間は3日間で、元手を増やしたほうが勝ち、というルールだが、アメリカ在住で為替通、しかもFX取引に強い慎司に、はたして財前は勝利することができるのか!?

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