金相場は横ばいでの推移。北朝鮮情勢やシリア情勢への不透明感が下値を支えている模様。また、イエレンFRB議長が「緩やかな利上げは適切」と発言したことも支援材料だったとみられる。

先週末の米雇用統計と米国のシリア攻撃を受けて、昨年11月上旬以降で初めて1,270ドルの水準を上回る場面があったが、その後も高値圏を維持している。米国株も動きづらい展開にあり、金市場にはポジティブな材料が多いようである。

安全資産への逃避の動きが起きやすいことから、目先は下げにくい状況が続きやすいといえよう。FRBは利上げペースを速める可能性が低いものの、一方で保有資産の償却ペースがどのようになるかが今後の市場のポイントになっている。この点におけるFRBのスタンスを注視することになろう。

ロイターの調査によると、FRBは年内にバランスシートの正常化に関する計画を発表するとの見方が大勢となっている。イエレンFRB議長は、「経済を過熱させることなく健全な成長を維持するため、FRBは緩やかなペースで利上げすることを計画している」との見解を示した。

その上で、「先手を打つことが望ましく、後手に回ることは望んでいない」とした。さらに「数年に亘る積極的な金融緩和により、米国経済はかなり健全な状況に回復した」とし、足元の目標は経済をある程度惰力で進行させ、安定した状況を保つことである」とした。

また「失業率は完全雇用の水準を若干下回り、インフレ率も目標に近い水準にある」とし、FRBが二大責務の達成に近づきつつあるとの認識を示した。その上で、「現在の経済状況が継続すれば、緩やかに利上げを実施していくことが妥当となる」とした。

この発言は、少なくとも利上げペースに関して市場に安心感を与える内容といえよう。しかし、市場が関心を持っているFRBの保有資産の縮小に関する発言はなかった。

一方、仏大統領選で急進左派のメランション氏が追い上げをみせていることが明らかになり、市場に不透明感が高まっていることも、金市場には追い風となろう。2週間前まではマクロン氏が勝利するとみられていたが、ここにきてメランション氏が支持を伸ばしており、混戦模様になりつつある。メランション氏が勝利すれば、市場には逆風となる見通しであり、金市場への関心が高まることになろう。

非鉄相場は総じて軟調な展開。海外市場の地合いの弱さに加え、週末から来週初めはロンドン市場が休場になることも背景にあろう。ただし、短期的なサポート前後の水準にまで下げており、下値を確認できるか重要な局面にあるといえよう。

シリア情勢や北朝鮮情勢が混とんとしているが、米国株が回復すれば、押し目買いも入ってこよう。

原油は続伸。リビアの主要油田が週末に再び操業停止に追い込まれたことや、米国によるシリアへのミサイル攻撃を受けた地政学的リスクの高まりが買いを誘っている模様。

リビアの石油関係筋は、一部勢力によってシャララ油田と石油ターミナルを結ぶパイプラインが封鎖されたとして、操業を停止したとしている。同油田は1週間の操業停止の後で4月初めに生産を再開したばかりだった。

また米国によるシリア空軍基地へのミサイル攻撃も材料視されているようである。市場では、シリアの産油量は比較的少ないとの認識だが、中東地域は世界の産油量の4分の1以上を占めていることから、市場に緊張感が高まっているようである。

中東地域の緊張の高まりは、イランやイラク、サウジアラビアのような産油国が影響を受けない場合でも、原油相場に心理的に影響を与えることが多い模様。また投機筋のポジション解消が進んでいたことも、上昇を後押ししやすい地合いにあるといえよう。

重要な節目の52.40ドルを超え、さらに52.90ドルも超えたことから、基調は急速に上向きになっている。米国のガソリン需要期入りを前に、例年のように上昇基調に転じる可能性が高まっている。今後は重要な節目である55ドルを超えるかを注視することになろう。