※この記事は2022年3月25日に掲載されたものです。

 資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動をわかりやすく解説します。

お悩み

安定運用を求めて債券投資を始めたいが、注意するべきこととは?

今井和夫さん(仮名)会社員・60歳(既婚、子どもは独立)

 今井さんは退職金とこれまでの貯蓄で、老後の資産設計をどのように行うか悩んでいました。資産形成のために、これまで積立投資で米国S&P500と日経平均株価指数への投資をし続けてきましたが、これからはリスクを落として、安定したリターンを求める方がいいと考えるようになってきました。

 これまではインデックス投資を中心に、株式投資も時々やっていましたので、はじめは高配当株式への投資をしようと考えていましたが、債券投資という選択肢もいいなと思いそちらも調べはじめました。

 今まであまり債券投資について詳しく知りませんでしたが、調べると満期まで保有すれば元金が返ってくることや、金利が固定で入ってくるなど、自分の投資目的に合っているように感じています。

 とはいえ初めての投資には不安がつき物です。今井さんも債券投資について充分調べたと思いつつも、何か見落としをしていないかと不安になりました。ある程度は高い金利を取りたいと思いつつも失敗はしたくない、リスクとリターンのバランスが難しいと悩んでいました。

 はたして、今井さんが債券投資を始めるにあたって、何を注意していけば良いのでしょうか?