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金相場は上昇し、一時5カ月ぶり高値を付けた。
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

金相場は上昇し、一時5カ月ぶり高値を付けた。

2017/4/10
金相場は上昇し、一時5カ月ぶり高値を付けた。米雇用統計を受けた追加利上げ観測が後退したことで買いが入った模様。ただし、その後はドル高が進み、リスク回避のための買いの需要も低下したとみられ、上値は重かった。
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金相場は上昇し、一時5カ月ぶり高値を付けた。米雇用統計を受けた追加利上げ観測が後退したことで買いが入った模様。ただし、その後はドル高が進み、リスク回避のための買いの需要も低下したとみられ、上値は重かった。

米国がシリアの空軍基地に向けて巡航ミサイルを発射し、同国とロシア・イランとの緊張が高まったことで、アジア時間帯で上昇。安全資産としての買いが入った模様。ここにきて、急速に地政学的リスクが高まっており、これが心理的に金相場を支える可能性がある。

米中首脳会談は無事に通過したが、フランス大統領選を控えており、投資家の警戒感が解消される兆しは見られない模様。米国株はいったん上昇する可能性があるが、その場合にはさすがに上値は抑えられるだろう。ただし、高値もみ合いの動きが続く可能性が高く、押しても下値は限定的となろう。

一方、ダドリー総裁は、「年内にもバランスシートの縮小に着手することが可能」との認識を表明している。市場の大方の予想よりは早い時期に開始するとの見方を示すとともに、「FRBがバランスシートの正常化に着手することを決定した場合、同時に短期金利の引き上げの小休止も決定する可能性がある」としている。

この発言から、市場では、FRBがバランスシートを縮小する際には、利上げはそれほど先送りされるわけではないとの解釈に変わっており、これがドル買いを促しており、利上げペースが鈍化しないとの見方が強まれば、ドル高が金相場の上値を抑えることも想定されよう。

一方、世界最大の金上場投資信託(ETF)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、3月31日の832.32トンから4月7日には836.49トンに小幅増加した。COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、4月4日時点で15万5,436枚の買い越しとなり、前週から1万7,616枚増加した。

買いポジションが1万1,222枚増加する一方、売りポジションが6,394枚減少した。買いポジションの積み上げと売りポジションの解消が続いており、投機筋が上昇を見込んでいることが確認できよう。

非鉄相場は上値の重い展開。米国のシリアに対するミサイル攻撃を受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり、売り優勢の展開が続いた。アルミは堅調で、ニッケルも上昇したが、銅や鉛・亜鉛が反落した。

米中首脳会談は大きなサプライズもなく、米雇用統計も非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を下回ったが、FRBが積極的に利上げを検討するには不十分であり、株価の下落も避けられているとみられる。

12日には中国の消費者物価と卸売物価、13日に貿易統計の発表が予定されている。これらの内容次第では、非鉄相場は堅調さを取り戻す可能性は十分にあろう。14・17日はグッド・フライデーおよびイースター・マンデーでロンドン市場は休場となる。

原油は上昇し、1カ月ぶりの高値水準を付けている。米国のシリアに対するミサイル攻撃を受けて、紛争拡大への懸念が強まっている模様。

6年に及ぶシリア内戦に対して、米国はこれまでで最も厳しい対応をした。これにより、中東の地政学的な不確実性が高まっており、供給懸念が原油相場を押し上げていると考えられる。

これまでの上昇による短期的な買われすぎ感から上値は重くなると見ていたが、思わぬ材料で再び相場が上向く可能性が高まっている。52.50ドルを明確に超えると、基調はさらに強まる可能性があろう。

一方、米国内の石油掘削リグ稼働数は12週連続で増加。10基増加し、672基となった。前年同期は354基。石油掘削リグ稼働数の増加は、米国内の原油生産の増加を想起させるため、これまでは原油相場の上値を抑える要因となってきた。

しかし、ここにきて原油相場の戻りは顕著である。その背景には、投機筋のポジションが軽くなかったことがある。最新週の投機筋のネット買い越しは前週比1万0,302枚増の40万8,382枚となった。

買いポジションが2,006枚増加し、売りポジションは8,296枚減少しており、買い意欲が強いことが確認できる。ポジション調整が終了し、再び積み上げの期間に入ってきたように思われる。

これから夏のドライブシーズンに向けた動きに入る。下げにくい相場展開に移行すると考える。いずれにしても、50ドル以下で持続的に生産ができる石油会社はほぼ皆無であると考えられる。この点を理解しておけば、50ドル以下を売ることがいかに愚行であることが容易に理解できるだろう。

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