※この記事は2022年1月28日に掲載されたものです。

 資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動をわかりやすく解説します。

お悩み

自分にとって最適な金融商品を探したいけど、どう見分けたらいいのか?

野中孝之さん(仮名)会社員・30歳(独身)

 野中さんは、父親が早期退職をして資産運用を始めたと聞いて「もう高齢なのに大丈夫なのか。だまされていないだろうか…」と心配になり、本人から話を聞いてみることにしました。

 すると父親から、「シニア世代の場合はどんな金融商品を買ってはいけないのか」「シニア世代がやってはいけない投資は何か」の話を聞いて、自分にあった資産運用をしっかり考えて老後を見据えているのだと分かり、少しホッとしました。

■参考記事:50〜60代のはじめて投資!買ってはいけない5つの金融商品
■参考記事:シニア世代がやってはいけない投資!「安心・安定・安全」は落とし穴?

 そして、父親に倣(なら)い、自分も資産運用を始めてみようと決心し、父親が買っている商品を教えてもらい、自分も同額だけ購入を開始しました。しかし、数年後、車を購入したくなり現金化しようとした際、その時現金化するには価格がかなり下がってしまっていることが判明し、がくぜんとしました。

 父親は長期保有を目的として購入していたため、一時的な値下がりに動じず、悠然と保有し続けていましたが、お金の出入りも多い若い世代の野中さんと、資産をじっくり育てるつもりの父親では、運用方針や目的が違うので、選ぶべき銘柄や保有期間も違うはずです。野中さんは結局、買いたいと思っていた車のグレードを落とし、保有商品を見直して資産形成計画を立て直すことになりました。

 父親から聞いた話は、主に「買ってはいけない商品」「やってはいけない投資」に関する話だったため、逆に、「買ってよい商品」「いい商品の選び方」は聞いていなかったのも失敗の原因と、同世代の投資家のブログやTwitterを読み、買うべき商品を厳選している途中です。

 野中さんが、年齢や立場に最適な金融商品を選ぶためには、どうすればよかったのでしょうか?