今日は、2021年のふるさと納税で「ワンストップ特例制度」を選択した方にお読みいただきたい内容です。

 これから説明する「ワンストップ特例」でありがちな5大失敗を「やってしまった」あるいは「やったかも」という方は、「確定申告」で改めてふるさと納税の寄付金控除を申請した方が良いかもしれません。

「ワンストップ特例」でありがちな5大失敗とは、以下です。

【失敗1】ワンストップ特例申請書を1年間で6つの自治体に出してしまった
【失敗2】一部の自治体にワンストップ特例申請書を出し忘れた
【失敗3】ワンストップ特例申請書が提出期限の1月10日までに自治体に到着していない
【失敗4】ワンストップ特例申請書を出した後、住宅ローン税額控除(初年度)や医療費控除を受けるために確定申告したが、確定申告でふるさと納税の寄付金控除の申告をしなかった
【失敗5】上限額を超えてふるさと納税したため、自己負担額が2,000円より大きくなった

 確定申告するには「寄付金受領証明書」が必要です。寄付金受領証明書がすべて手元にあることをまず確認してください。

 それでは、5大失敗について解説する前に、まずふるさと納税「ワンストップ特例」の概要を説明します。

ふるさと納税とは

 ふるさと納税は、自分が応援したい市町村に、実質2,000円の負担で、寄付ができる制度のことです。

 寄付した自治体から、返礼品が贈られてくる魅力もあります。年収などの条件によって決まる上限額の範囲内で寄付をすれば、寄付額から2,000円を差し引いた金額だけ、ご自身の納税額(所得税および住民税)が減ります。

 たとえば、実質2,000円の負担で5万円まで寄付できる方の場合、5万円を応援したい市区町村に寄付し、寄付金控除の手続きをすると、2,000円を差し引いた4万8,000円だけ、ご自身が納めるべき税金が減ります。

 5万円寄付すると、4万8,000円分、納税額が減るわけですから、実質2,000円の負担で5万円の寄付を行ったことになります。

 ただし、ふるさと納税をしても、寄付金控除の手続きをしないと納税額は減りません。「ふるさと納税をしたのに寄付金控除の手続きをしなかった」、あるいは「寄付金控除の手続きをしたつもりだったが、やり方を間違えていたために無効だった」が、よくある失敗談です。

 ふるさと納税の寄付金控除手続きには2通りがあります。

【1】確定申告で、ふるさと納税「寄付金控除」手続きをする。
または、
【2】寄付する自治体数が5つ以内ならば、「ワンストップ特例制度」を利用する。

ふるさと納税で寄付を行う自治体の数が5つ以内ならば、ワンストップ特例制度が使える

「確定申告で寄付金控除の手続きをしてください」と言われても、確定申告した経験の無い方には、とても難しいことです。そこで確定申告しなくても、ふるさと納税の寄付金控除を受ける方法が用意されています。それが、「ワンストップ特例制度」です。

 1年間に「ふるさと納税」で寄付する自治体の数が5つ以内ならば、確定申告をしないでも、ふるさと納税の寄付金控除を受けることができます。それが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。ふるさと納税を行う際に、寄付を行う自治体に、「ワンストップ特例の適用を受ける申請書」を提出する必要があります。

 ワンストップ特例を使う場合は、住民税だけで「ふるさと納税額―2,000円」分、納税額が減ります。先に例に挙げた、5万円まで実質2,000円負担で寄付できる方の場合、5万円をワンストップ特例で寄付すると、確定申告しないでも、4万8,000円、ご自身が納める住民税が減ることになります。

 送付方法は、自治体により異なります。封筒に入れて送ってくることが多いですが、返礼品の中に一緒に入っていることもあります。送られてきた申請書に必要事項を書き込み、「マイナンバー」関連の必要書類を添付して返送すれば手続き完了です。

 返送用封筒は、入っている場合と入っていない場合があります(それも自治体により異なります)。入っていない場合は、自分で返送用封筒を作成して、返送してください。

 たまに「簡易書留で返送してください」と指示してくる自治体もあります。その場合、簡易書留の郵送料を負担して返送する必要があります。

 寄付した翌年の1月10日必着であることに注意してください。2021年のふるさと納税ならば、2022年1月10日までに自治体に到着していなければなりません。