FRB議長人事めぐり、「金」は続伸

 金相場は続伸。ドルが小幅安となる中、買われている。

 米英日の金融政策会合を控え、市場の関心は次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長の発表に向かっている。米メディアはホワイトハウス高官の話として、トランプ大統領が次期FRB議長の指名を11月2日に公表する見通しだと報じた。また、テイラー・スタンフォード大教授よりも利上げに消極的なハト派とされるパウエルFRB理事を指名する公算が大きいと伝えており、これが米長期金利の低下につながり、ドル売りが進行した。

 また、トランプ政権とロシア政府の関係をめぐる一連の疑惑を捜査しているモラー特別検察官のチームが、昨年の米大統領選でトランプ陣営の選対本部議長だったマナフォート氏ら2人を起訴したと発表したことも、安全資産である米国債の買いを誘い、ドル安につながっている。これらが金相場を押し上げたといえるだろう。

 一方、9月のPCE(米個人消費支出)が前月比1.0%増と、2009年8月以来、8年1カ月ぶりの大幅な伸びに。しかし、インフレ率が低迷していることが判明したため、金利上昇が抑制されたことも、金相場にはポジティブに影響した。

 さらにスペイン・カタルーニャ自治州の情勢不安なども、安全資産としての金買いを促す理由になった可能性がある。

 こういった欧米の政治不安要素は、心理的に金相場を支える材料になり得る。

 チャート面でも1,270ドル前後の重要なサポートを維持して反発しており、再び上値を試しやすい地合いになっている。

 

非鉄はやや軟調推移

 非鉄相場はおおむね下落。LME(ロンドン金属取引所)在庫は銅が増えたが、その他は減少した。

 アルミは続落したが、2,150ドルは維持しており、基調は崩れていない。銅は小幅反発。短期のサポートで下げ止まっている。この後、上昇には時間が掛かるものの、方向性は決まっているだろう。最大でも6,680ドルでサポートされていれば問題ない。

 ニッケルは反発し、サポートの1万1,420ドルを維持している。亜鉛も反発し、3,200ドル台を回復。鉛は下げており、中期サポートの2,430ドルを割り込んでいる。一段安のリスクがあるが、2,365ドルでサポートされるか、注目だ。

 全体の基調はやや軟調だが、次の上昇への足場固めの動きとみている。31日には中国のPMI(製造業購買担当者景況指数)、3日は米雇用統計の発表が控えている。これらの材料に市場がポジティブに反応すれば、底打ち確認から再び上昇に向かうことになるだろう。

 

減産延長濃厚で原油は8カ月ぶりの高値

 原油は続伸。ブレント原油は60ドルを維持し、WTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油も54ドル台を維持して、2月23日以来の高値。OPEC(石油輸出国機構)主導の減産期限が現行の来年3月から延長されるとの見通しが買い材料視された。

 サウジアラビア、ロシア両国が減産期間の9カ月延長に支持を表明したことから、OPECのバーキンド事務局長は、11月30日にウィーンで開く総会を前に霧が晴れたと発言。

 さらに、サウジのサルマン皇太子は減産延長への支持を改めて表明。このことから、サウジとロシアの減産への取り組みが本気であることに、市場がようやく気付き始めたと言える。

 また、UAE(アラブ首長国連邦)のマズルーイ・エネルギー相は、「国際的な産油国の減産合意を延長する必要がある」と明言し、「延長への要請があり、私もそう考える」とした。加えて、延長が11月30日開催のOPEC総会で決まるのか、それとも来年1月に決定されるのかとの問いに対しては、「市場にとって最良の形で合意することが望ましい」と応じている。

 いずれにしても、OPEC加盟・非加盟国は、減産延長で合意する可能性がきわめて高い。

 決める時期がOPEC総会になるのか、それともその後の別の会合になるかはわからないが、減産延長自体は既定路線である。これで原油在庫が着実に減少していることが確認できれば、相場水準はさらに切り上がることになるだろう。