コロナショック時の安値の2倍に。「脱炭素」ブームでもプラチナ相場は下落していない

 現在のプラチナ市場は、悲観論を数年間にわたり盛大に振りまいた「フォルクスワーゲン問題」を克服したように見えます。

 足元の上昇の原動力は「新型コロナショック後の回復」といえます。同ショックで急落し、NY先物市場は600ドルを、大阪市場は2,000円を一時的に割り込みましたが、その後大きく反発し、現在に至っています。

 この1年強、プラチナ価格は明確に上昇してきたわけですが、ここで気になるのが世界的なブームである「脱炭素」との整合性です。

図:「脱炭素ブーム」下の連想
※VW問題=フォルクスワーゲン問題

出所:筆者作成

 上記の通り、「脱炭素ブーム」下、プラチナ相場は、「フォルクスワーゲン問題」発覚時と同様、排ガス浄化装置向けの需要が減少するという悲観論によって、下落してもおかしくありません。

 しかし、昨年発生した新型コロナショック時の安値比、およそ2倍に上昇しています。一体、なぜなのでしょうか?