債券市場が強気のシーズナリーに入るとすれば、株式市場には追い風となるのか?

 マーケットウォッチの記事「The Dow just beat the Nasdaq by the widest margin in a month since 2002.(ダウは2002年以来、月間でナスダックを大きく上回った。)」によると、過去20年間をたどると、4月は株式にとっては強気の月になる傾向があるとのこと。LPLファイナンシャルのチーフマーケットストラテジストが示したデータでは、4月は過去15年間のうち14年間で株価の上昇を示した。

 3月はグロース株からバリュー株へのローテーションが進み、ダウ平均はナスダック総合指数に対し10年ぶりに最大の月間アウトパフォーマンスを記録した。ダウジョーンズマーケットデータによると、ナスダックに対してダウが6.21パーセントポイント上回るのは、2002年2月以来とのことである。なお、このパフォーマンスは翌月も続く傾向があるそうだ。

ダウVSナスダック指数

出所:マーケットウォッチ

 これらはあくまでシーズナリーや傾向を示したものであり、相場がこの通りに動くわけでは決してない。足元ではアルケゴスを巡る金融機関の損失問題が浮上し、再び市場の足元がぐらついている。

 アリアンツのチーフエコノミックアドバイザーのモハメド・エラリアン氏は、ヤフーファイナンスのインタビューで「われわれはシステム全体に影響を与える可能性のある事故に再び遭遇した。システムに大量の流動性が投入されると、過剰な、場合によっては無責任なリスクを取ることがわかる」と述べた。

 過剰流動性によって相場が大きくゆがめられている現在、思ってもいないようなところから問題が噴出してくる可能性もある。シーズナリー的には債券も強気(金利は低下)、株式市場も堅調が想定されている。