次期FRB議長報道で金は続落

 金相場は続落。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の後任人事に注目が集まる中、追加利上げに前向きな姿勢を取る候補が有力との報道が売りを誘い、1週間ぶりの安値をつけた。

 トランプ大統領が次期FRB議長として、タカ派的なスタンフォード大学のジョン・テイラー教授に好感を抱いているという報道があり、これが市場で材料視されているようである。

 1,300ドルを下回ったことで、弱気な見方が出てくる可能性がある。しかし、ドル安基調に変化はなく、押し目で金が買われやすい地合いは維持されると考えている。目先は1,275~1,280ドルがサポートになるだろう。

 一方、ACEA(欧州自動車工業会)が発表した9月のEU(欧州連合)とEFTA(欧州自由貿易連合)の新車登録台数は前年比2%減の146万6,000台だった。自動車販売台数の減少はプラチナ需要の減退リスクを高めることになるだけに要注意だ。

 

非鉄はまちまち

 非鉄相場はまちまち。LME(ロンドン金属取引所)在庫は銅と鉛が増加したが、その他は減少した。

 アルミは小幅反発。2,140ドル前後で下値を固めようとしている。銅は反落。ニッケルもまったく同じ動き。1万2,000ドルを前に手仕舞い売りが出ているが、健全な調整がほしいところ。下げても1万1,600ドルでサポートされれば、強基調は維持されることになる。

 亜鉛は急落。理由は不明だが、これまでの強気相場に対する利益確定売りが出たのだろう。ただし、中期サポートの3,065ドルでは下げ止まっており、ここが維持できれば再び上向きやすい。鉛も同様に下げたが、中期的には2,415ドルまで下げてもトレンドは維持されると思われる。最終的に基調は維持されるだろう。

 

キルクークの軍事衝突、米国在庫から原油は横ばい

 原油はほぼ横ばいでの推移。イラク中央政府とクルド自治区の軍事衝突が生産に打撃を与えるとの見方が下値を支えている。イラク有数の産油地帯での軍事衝突は、原油相場の押し上げにつながりやすいが、現状は油田が平常通り稼働しているようだ。

 一方で米国の産油量と輸出量の増加予が上値を押さえている。市場の関心が米国の原油輸出の増加で国内在庫がさらに減少するかに注目が集まっているようである。API(米石油協会)とEIA(米エネルギー情報局)が本日、石油在庫統計を発表する。原油在庫の市場予想は420万バレルの減少となっている。目先はやや買われすぎ感が強まっているが、基調は強い。在庫統計をきっかけに、さらに一段高になれば、新たな上昇基調に入ることになる。

 一方、米ゴールドマン・サックスは、イラクとの対立により、クルド人自治区からの産油量がリスクにさらされる可能性がある一方、米国とイランの地政学的緊張は世界の原油供給において一段と大規模かつ長期にわたる脅威になるとの見方を示している。

 そのうえで、「米国がイランへの経済制裁を再発動した場合、当初は数十万バレルのイラン産原油輸出がリスクにさらされる」と予想。ただし、他国による支持がなければ、即座に生産が日量100万バレル減少して制裁前の水準まで落ち込むようなことはないとしている。

 イランについては、「産油量に即座に影響が出る可能性はなく、米国が制裁を再発動するかどうかは非常に不透明」としている。クルド人自治区では日量50万バレルの油田がリスクに直面しているようだ。すでに35万バレル分の生産が封鎖されていると見られる。ただし、産油コストが低いため、イラクとクルド自治政府は原油生産を維持する見込みだ。