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CPIで探る米追加利上げの温度感。金価格の影響度は?
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

CPIで探る米追加利上げの温度感。金価格の影響度は?

2017/10/13
・注目のCPIを手がかりに金は上昇か
・自動車向けのアルミ、銅など中国需要が増加か
・石油在庫統計を受け、原油の下げ幅は縮小
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注目のCPIを手がかりに金は上昇か、下降か?

 金相場は上昇。2週間超ぶりの高値をつけた。

 米利上げへの手掛かりとなる13日発表の米CPI(消費者物価指数)に関心が集まっている。

 11日のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、インフレ率が上向く見通しや、上向かなかった場合の今後の利上げ過程に関して、引き続き議論が行われたことが示された。利上げありきのスタンスではなかったことが確認されており、今の市場の反応は過剰にも見える。もっとも、CPIの内容次第では再び利上げ機運が盛り上がる可能性もあり、要注意ではある。

 新規失業保険申請件数が1カ月超ぶりの水準に低下したことを受けて、ドルは小幅上昇する場面もあったが、ドルは主要通貨に対し、依然として2週間ぶりの安値近辺にとどまっている。基本的なドル安基調は変わっておらず、これが米国株高でも金高を維持する背景にある。

 また、北朝鮮情勢など地政学的リスクは払しょくされておらず、何かしらの理由で金を保有しておきたいと考える投資家は少なくないだろう。最終的にFRB(米連邦準備制度理事会)が12月のFOMCで利上げを見送るような状況になれば、米国株高と金相場の上昇が並走する動きが続くことになりそうだ。目先は重要なチャートポイントを超えており、1,300ドル超えから大きく上昇する体制が整っている。

 

自動車向けのアルミ、銅など中国需要が増加か

 非鉄相場は堅調に推移。

 LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが増加したが、それ以外は減少した。

 アルミは反発し、2,140ドルのサポートを維持。堅調さは維持されている。銅は続伸し、さらに高値を更新。6,877ドルまで上げてきた。ニッケルも大幅続伸し、1万1,420ドルまで上げ、強さが戻りつつある。

 亜鉛は反発し、3,175ドルをサポートしていることから、きわめて強いといえる。鉛も上昇。引き続き高値圏を維持して堅調さは変わっていない。

 非鉄相場は下げても再び上昇する強さがある。繰り返しだが、歴史的上昇相場に入っている可能性が高いことを念頭に入れておくべきであろう。

 中国の9月の新車販売台数は前年同月比5.7%増の270万9,000台と、4カ月連続で前年水準を上回った。乗用車は3.3%増の234万3,000台で、このうち政府が普及を推進しているEV(電気自動車)は4万8,000台へ倍増した。今後は自動車向けのアルミ・銅などの需要が増加することは間違いない。需給ひっ迫は供給サイドからだけでなく、需要サイドからも起きる。

 

石油在庫統計を受け、原油の下げ幅は縮小

 原油は下落。EIA(米エネルギー情報局)の石油在庫統計を受けて下げ幅は縮小した。

 EIAによると、6日までの週の米国内の原油在庫は前週比270万バレル減と、減少幅は市場予想の200万バレル減を若干上回り、3週連続の減少となった。

 API(米石油協会)が前日に公表した原油在庫は310万バレル増だった。これを受けて、米国内の過度の供給過剰懸念が後退し、徐々に買い戻された。

 ガソリン在庫は250万バレル増と、市場予想の50万バレル減に反して増加し、ディスティレート在庫は150万バレル減と、市場予想の220万バレル減を下回った。

 ただし、原油生産量は日量948万バレルと、前週から8万バレル減少している。米国内の需給も徐々に引き締まりの方向にいく見込み。そうなれば、いまの原油安は正当化されにくくなるだろう。

 一方、IEA(国際エネルギー機関)は来年の世界の原油需給がほぼ均衡化するとの見方を示した。消費の拡大が在庫解消につながり、増産部分を相殺するとした。2017年の世界原油需要は前年比日量160万バレル増加し、2018年には同140万バレルに落ち着くと予想している。OPEC(石油輸出国機構)の生産が横ばいで、天候が大きく悪化しないことを前提に「来年は4四半期のうち3期がおおよそ均衡化するとみている」という。

 また2018年全体では、石油需要とOPEC非加盟国の生産量はほぼ同様の伸びになるとの見方を示している。さらにIEAは、OPEC非加盟国の生産が今年は日量70万バレル増加すると予想。来年は150万バレル増加の日量5,960万バレルになるとの考えだ。一方、米国の今年の産油量は日量47万バレル増、18年には同110万バレル増になるとみている。

 BNPパリバは、シェールオイルやシェールガス、オイルサンドなどの探鉱や生産、供給などにかかわる企業への融資を停止すると発表。その背景には、地球温暖化対策の一環で、企業に再生エネルギーへの転換を促す動きがある。しかし、米国には多くの銀行があり、シェールオイル生産のお膝元。これ自体ですぐにシェールオイル市場が停滞するとは思えないが、1つの考え方としてはインパクトがある。トランプ米大統領はパリ協定からの離脱をすでに表明しているが、今後の動きに注目しておきたいところだ。

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