FOMC記事要旨受け、金は下落

 金相場はFRB(米連邦準備理事会)が11日公表した、9月19~20日開催のFOMC(米連邦準備制度理事会)議事要旨を受けて下落した。

 議事要旨ではインフレ水準の上昇見通しや、インフレ水準が上がらない場合の利上げの方向性について議論され、低調なインフレ水準が一時的なものではない可能性があることが示されており、これが今後の利上げ判断にどのような影響を与えるかを確認することになる。

 一方、この日はサンフランシスコ連邦準備銀行のウィリアムズ総裁が講演で、「FRBは今後2年間で2.5%まで緩やかに利上げすべき」との考えを示したものの、総裁がFOMCの投票権を持たないことから、市場ではそれほど材料視されなかった。

 市場における12月の利上げ確率は88%にまで上昇している。しかし、さらにFOMC議事要旨によると、追加利上げのカギとなるインフレ動向についてはさまざま見方が分かれており、想定する年内あと1回の利上げに強い確信が得られていないことがわかった。

 FOMCの参加者の多くが「力強さに欠ける物価上昇率は一時的で、中期的に2%に向かう」との見方で一致していた一方、数人の参加者は「目標到達は当初想定したよりもいくぶん長引く」と発言。また「物価伸び悩みが長期化する公算が小さく、目標に向かうと明確にわかるまで、利上げを遅らせるべき」との意見があったことも判明した。

 ただし、失業率が大幅に下がる中、賃金や物価上昇が加速する事態も数人が警戒。そのうえで「現在の金融緩和状態は金融安定のリスクになる」とし、早期引き上げが必要との見解を示していた。

 これらから、すべてのFRB当局者が「利上げありき」ではないことも確認できる。利上げはできるだけ遅らせ、株価を維持させたい気持ちもあるだろう。結果的に「株高・金高」の状況が続くシナリオも想定しておきたい長期化することになる。

 

非鉄はまちまち

 非鉄相場はまちまち。LME(ロンドン金属取引所)在庫は亜鉛が引き続き増加したが、それ以外は減少した。

 アルミは続落したが、依然として高値圏を維持しており、問題はない。銅は続伸で、6,800ドル台を回復した。きわめて強い動きにある。IMF(国際通貨基金)による中国の経済成長率の上方修正なども材料視された可能性がある。ニッケルも続伸し、11万1,800ドルまで上げてきた。

 亜鉛は反落したが、基調は強い。3,165ドルでサポートされれば問題ない。鉛は一時下落したが、高値圏を維持。非鉄相場は下げても再び上昇する強さがある。

 

OPEC需要見通し受け、原油は3日連続続伸

 原油は3日続伸。OPEC(石油輸出国機構)が2018年の世界石油需要見通しを引き上げたことや、イラク北部クルド自治区の情勢不安が支援材料となった。

 OPECは産油国の協調減産により、供給過剰感が解消されつつあるとして、市場では、米国の原油輸出は記録的に加速しているものの、北海油田や西アフリカからの供給分も併せて市場に吸収する力はあるとの見方が示されている。

 API(米石油協会)が公表した6日までの週の原油在庫は前週比310万バレル増加した。クッシング原油在庫は120万バレル増。製油所の原油処理量は日量26万バレル増加した。

 またガソリン在庫は160万バレル減、ディスティレート在庫は200万バレル増だった。原油輸入量は日量64万9,000バレル増の810万バレルだった。

 一方、イラク政府軍とイランで訓練を受けたイラクの民兵組織が、産油地帯のキルクークやモスル近郊への大規模な攻撃に向けて準備中という。イラク軍の広報官は攻撃を否定しているが、自治区情勢への不安が原油相場の上昇につながっている面がある。

 また、EIA(米エネルギー情報局)は月報で、2018 年の世界石油需要の伸びの見通しを日量158万バレルとし、従来予想から11万バレル上方修正し、2017年は従来予想に据え置いた。

 OPEC加盟国の9月の産油量は前月比0.3%増の日量3,274万8,000バレルと、昨年11月末の減産合意時に設定した生産上限の3,250万バレルを4カ月連続で超過した。これは、減産を免除されているリビアが生産を増やしており、7月に生産調整を約束したナイジェリアも増産していることが直接的な要因である。

 サウジアラビアは横ばいの997万5,000バレルで、生産枠上限をクリア。イランも横ばいの382万7,000バレルだったが、生産枠上限を3万バレル超過。イラクは0.7%増の449万4,000バレルで上限を15万バレル近く超過している。UAE(アラブ首長国連邦)は0.3%減の290万5,000バレルで、約3万バレル超過。クウェートは横ばいの270万バレル、ベネズエラは2.7%減の189万バレルで、それぞれ上限をクリアした。

 一方、リビアは6.2%増の92万3、000バレル。ナイジェリアも2.8%増の185万5,000バレルと、伸びが目立っている。ナイジェリアは7月に産油量が180万バレルに達した段階で生産調整に入ると表明したものの、8月に180万4,000バレルを生産した後も減産していない。自己申告ベースの産油量は8月で174万2,000バレルだが、実際にはそれ以上に生産していると見られている。

 OPECの9月の産油量は、昨年の減産合意後に加盟した赤道ギニアを除いても約3,261万バレルで、生産枠上限を超過している。早い段階で生産枠順守を再確認する必要があるだろう。
一方、9月の世界原油生産は前月比0.4%増の日量9,650万バレルだった。このうち米、英、ブラジル、カザフスタン、アゼルバイジャンなどの非OPEC産油国は0.5%増だった。OPECの市場シェアは前月比0.1ポイント低下の33.9%。

 NOC(リビア国営石油会社)のサナラ会長は、「年末までに石油生産を日量125万バレルに増やす目標達成は非常に厳しい」との見解を示している。さらにエスシデル・ターミナルの石油貯蔵施設19カ所のうち12カ所と、ラスラヌフ港の石油タンク13カ所のうち半分は、依然として稼働停止の状態が続いているという。

 一方、OPECは2018年のOPEC原油需要見通しを前回から日量23万バレル引き上げ、日量3,306万バレルとした。7月から3カ月連続で石油需要見通しを引き上げている。さらにOPECやロシアなど非加盟国による減産で供給過剰が解消されているとし、市場が引き締まる中で2018年は供給不足となる可能性を指摘。石油製品の在庫が少ないことや、寒波の影響で暖房需要が増える可能性があり、今年の冬は相場が下支えされるとの見方を示した。

 さらにOPECは、2018年の原油価格が50ドルから55ドルの水準に留まるとの見通しも併せて示した一方、バークレイズ社は2018年第1四半期のブレント原油予想を5ドル引き上げて、56ドルとしたものの、第2四半期には48ドルに下落するとした。