金は下げ止まりの動きに入る

 金相場は続落。ただし、下げ渋りから下げ止まりの動きに入っている。この日は9 月のISM米非製造業景況指数が好調だったことや、米雇用情勢が堅調だったことを受けて、ドルが下げ幅を縮めたことから上値も重かった。米国株は主要指数が過去最高値を更新する動きにあるが、10月6 日の9 月米雇用統計の発表を控えており、長期金利がやや伸び悩んでいることから、金相場の下値は支えられたといえる。

 米民間雇用サービス会社ADP(オートマチィック・データ・プロセッシング)が発表した9月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比13万5,000人増と、相次ぐハリケーン襲来の影響で昨年10月以来の低い伸びにとどまったが、市場予想の12万5,000人増を上回ったことが好感された。9月のISM非製造業景況指数(NMI)が59.8と、前月の55.3から上昇し、2005年8月以来、約12年ぶりの高水準となった。

 一方、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演を行ったが、金融政策や景気見通しについては言及しなかったことから材料視されなかった。ムニューシン米財務長官が18 年2 月に任期切れとなるイエレンFRB議長の後任として、FRBのウォーシュ元理事よりパウエル理事を適任と考えているとの報道を受けてドルは下落しており、これが金相場の下値を支えたといえる。パウエル氏はウォーシュ氏よりハト派とみられている。

 金相場は1,270ドル前後でのサポートを続ければ、売られすぎ感もあり、いったんは上値を試すだろう。

 

非鉄はおおむね堅調

 非鉄相場はおおむね堅調。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが増加したが、それ以外は減少した。今週は中国市場が引き続き大型連休で休場となっており、動きづらい状況が続いているようである。その中でも徐々に下値を切り上げており、目先の底値を確認した動きとなっている。アルミは高値を狙う動きにあり、銅も6,550ドルを超えそうである。

 ニッケルは下げたが、1万550ドルを維持できていれば、上昇の可能性が高まる。亜鉛はさらに高値を更新しており、鉛も同様に高値をつけた。ただし、高値からは下げており、目先の高値を確認した可能性がある。いずれにしても、非鉄市場は大きく変化している。歴史的な状況にあることを理解しておくことが肝要である。

 

原油は続落

 原油は続落。テクニカル的に売られやすいチャート形状になっており、これが優先されているようである。一方で、市場では米国の原油輸出が日量200万バレルと想定以上の過去最高を記録したことで、供給過剰懸念が高まっているようである。EIA(米エネルギー情報局)が発表した9月29日までの週内の米国原油在庫は前週比600万バレル減少。減少幅は市場予想を大きく上回った。

 しかし、米国からの原油輸出が日量198万バレルに増加したため、割安なWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油を買う動きが強まっている可能性がある。これ自体は需給面からは強材料だが、市場はそうは捉えていないようである。ここでも市場のミスリードが確認できる。原油市場の多くが投機的な取引を行っている傾向が強いのか、このような需給データに関する分析ができないことで、価格の方向性や水準を著しく歪められた状態が続いている印象がきわめて強い。

 一方、OPEC(石油輸出国機構)のバーキンド事務局長は「市場に持続可能な安定をもたらす力がOPECにある」との認識を表明。また、ロシアのプーチン大統領は、現行の協調減産を18年末まで延長する可能性を排除しないと発言している。現在の減産合意の期限は来年3月までである。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相を含むOPEC加盟国のエネルギー相は、これまで減産合意を数カ月延長する案を示唆してきたが、18年末までの延長については言及していない。プーチン大統領は「誰もが安定的な市場に関心を持っている。我々がOPECと共に行ってきたことは世界経済に恩恵をもたらす」とし、「減産合意の延長の是非を決定するにあたり、いつまで延長するかについても決定する。延長する場合、少なくとも18年末まで延長される必要がある」としている。さらに、「原油市場は近く均衡化する」との見方も示している。

 一方、イランのザンギャネ石油相は、減産合意の延長もしくは一段の合意について「OPEC内では異論は出ていない」との認識を示し、ベネズエラのデルピノ石油鉱業相も「延長もしくは一段の減産が討議されている」としている。これらの発言から、少なくとも18年半ばまでの減産延長は確実といえそうである。そうなれば、原油需給はさらに改善される。あとは市場参加者の理解度が高まるだけであろう。