Money Hack4アフター・コロナはインフレか?

 さて、いつから「アフター・コロナ」と言えるようになるのかは、残念ながら分からない。

 ただ、一応、かなり先の問題ではあるが、アフター・コロナ、すなわち、コロナがわれわれの生活と経済に大きな影響を及ぼさなくなった状態での投資について、少しだけ考えておこう。

 不況と経済対策が綱引きをするのがウィズ・コロナ時代の経済の構図だった。ここでコロナに伴う経済活動の制約が外れると何が起こるだろうか。

 唯一の可能性ではないが、起こりそうなことの一つはインフレだ。

 経済政策は、先進各国、個別に差はあっても、金融緩和と財政赤字の拡大の組み合わせだ。この状況下で民間の投資機会が一気に広がると、信用の拡大が起こる可能性が大きい。

 実物経済はそれなりに好景気になるはずだが、実物経済の拡大を上回るスピードで信用拡大が起こると、インフレになる可能性が十分ある。数十年ぶりに「インフレ・ヘッジ」が現実に重要なテーマになる可能性がある。

 また、過度なインフレは経済にとって不都合なので、金融の引き締めや、財政赤字の急激な縮小が行われる可能性がある。この場合には、実体経済の拡大にもブレーキが掛かるし、それ以上に実質金利の上昇から株式のような収益資産の価値が低迷する可能性がある。

 相当に先の将来に関する想像だが、1970年代の終わり頃に米国で唱えられた「株式の死」といった言葉を再び聞くことになるかもしれない。