先行きを決めつけない!株価のトレンドが個人投資家の水先案内人

 私たち個人投資家が注意しなければならないのが「将来の決めつけ」です。

 今後考えられるのが、例えば国内で新型コロナウイルスがまん延し、感染確認者数が今までと比べものにならないほど増加したような場合です。こうなると、日本経済にもさらなる悪影響を及ぼすため、通常の思考であれば「株価など上がるはずはない」と思ってしまいがちです。

 しかし、3月中旬以降の株価の動きから、もはや足元の経済状況と株価は連動しなくなったと気づくべきです。

 もし、世界各国の異次元の金融緩和の効果より、新型コロナウイルスによる国内外の経済への影響の方がはるかに大きい、と市場参加者の多くが感じたなら、日本株も大きく値下がりすることになるでしょう。

 でもそうなるかどうかは、実際にそのときになってみないと分かりません。

 とするならば、今は株式への投資を控えて二番底到来を待って投資しよう、という考えはあまり得策ではないと思います。ここから上に行くか、下に行くか、あらかじめ正確に予測することなどできません。

 そこで、上昇トレンドの銘柄は保有を続け、下降トレンドの銘柄は保有しないようにすれば、もし上に行った場合は株価上昇の恩恵を受けることができますし、下に行った場合は速やかに売却することで損失を防ぐことができます。

 将来を決めつけると、それが外れたときのダメージが大きくなります。新型コロナウイルスの影響が今後どれだけ拡大するのかを今から正確に予測することなどできませんし、ましてや足元の景気悪化による経済への悪影響と金融緩和による株価上昇圧力のどちらが勝るかなど、予測するだけ無駄なように感じます。

 将来を決めつけて行動することをやめ、株価のトレンドという水先案内人に従って行動することで、結果として利益に結びつき、大きな損失を回避することにつながるはずです。