ドル高、ユーロ下落から、金は一時7週間ぶりの安値に

 金相場は下落。一時7週間ぶり安値をつける場面があった。米国債利回りの上昇でドル高となったことや、スペイン東部カタルーニャ自治州独立の是非を問う住民投票の結果に対してユーロが下落していることも、金相場を圧迫した。

 一方、トランプ政権が税制改革案を発表したが、これを市場がドル高材料と見ていることも、圧迫要因になっている。米財政悪化はドル安要因であるため、評価は難しいところだ。

 9月のISM製造業景況指数が2004年以来の高水準になったことを受けて、ドルが上昇していることは、安全資産である金の売りにつながりやすかったといえる。

 米国株も主要指数が過去最高値を更新しており、投資家は安全資産からリスク資産へ資金をシフトさせやすい地合いにあることも、金相場にはネガティブ要因である。

 市場では、年内の追加利上げ観測が高まっていることもあり、投資家は金に目を向けづらい状況にある。

 これらの状況を含め、目先は1,270ドルを維持できるかがポイントになるだろう。割り込むと1,250ドル前後の水準にまで調整する可能性がある。

 

中国市場の大型連休影響で、今週の非鉄は軟調か

 非鉄相場はおおむね下落。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが増加したが、それ以外は減少した。今週は中国市場が大型連休で休場となっており、下支え要因がないことも軟調な動きにつながりやすい。

 アルミは2,100ドルを辛うじて支えられているが、やや上値が重い。銅も軟調だが、6,400ドルを維持しており、崩れてはいない。ニッケルも辛うじて1万270ドルを維持しており、これ以上、下げたくないとの市場参加者の意思も見られる。

 一方、このところ堅調だった亜鉛は高値を更新。3,240ドルを超えてきた。鉛も同様に一時2,548ドルまで上昇し、高値を更新するなど、鉛、亜鉛がリードしている。このように、非鉄相場は本質的に強く、歴史的大相場にすでに入っていることを理解したうえで見ていくことが肝要である。

 

OPEC増産が嫌気され「原油」は反落

 原油は反落。米国内の石油掘削リグ(装置)稼働数の増加やOPEC(石油輸出国機構)の増産が嫌気されたものと思われる。

 先週はイラク北部クルド自治区の独立の是非を問う住民投票に対する不安が高まり、これが原油相場を押し上げた面があった。

 さらにOPECが主導する協調減産により、3年間にわたる原油の供給過剰が緩和されつつある兆しも、相場上昇の原動力となっていた。しかし、ロイターの調査によると、イラクやリビアの増産を背景に、9月のOPEC産油量が増加していたことが明らかになった。これが今後の減産延長の可能性を低下させている可能性がある。

 また中東産油国は、原油相場の上昇が米国のシェールオイルの増産を促し、相場を再び圧迫する可能性を懸念していると言える。OPEC加盟国には、原油相場が60ドルを超えると、シェールオイルの生産拡大に拍車がかかる認識があるという。この点からも、原油相場は依然として、もろい状態にあるだろう。

 これまで堅調さを維持してきたブレント原油も軟調に推移しており、55.85ドルで下げ止まるかが重要なポイントになっている。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油も50.40ドルで下げ止まらないと、50ドル割れとなり、48ドル台後半まで下げる可能性が高まるだろう。いずれにしても、早い段階で調整が完了しないと次の上昇には移れない。

 一方、ロシアのノバク・エネルギー相は、サウジアラビアとロシアがエネルギーに投資する10億ドル規模のファンドを創設すると表明。ノバク・エネルギー相は「石油・天然ガスプロジェクトに関するいくつかの合意について作業しており、サウジのサルマン国王による今週のロシア訪問中に発表する予定」としている。そのうえで「OPECと非加盟国の協調減産合意という枠組み内での協力強化だけでなく、石油、ガス、電気、再生エネルギーについての協力強化にも合わせられている」との認識を示している。