情報開示に力を入れているかどうかをチェックする

──rennyさんが保有するファンド一覧を見ると、独立系投資信託会社の商品が多いですね。

 そこにこだわっているわけではないんです。実際、大手系列のファンドも保有していますし。ただ、小さい会社には投資方針や理念を明確に打ち出しているところが多いんです。僕は自分が共感できるということを大事にしているので、そういう会社を選ぶことが多くなるのだと思います。

rennyさんの保有ファンド一覧

種類 投資対象 ファンド名 運用会社
(略称)
インデックス
ファンド
海外株 SMTグローバル株式インデックス・オープン 三井住友
トラスト
バランス型 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド セゾン
アクティブ
ファンド
海外株 セゾン資産形成の達人ファンド セゾン
日本株 ひふみ投信 レオス
結い2101 鎌倉
スパークス・新・国際優良日本株ファンド スパークス
スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド スパークス
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ
(年2回決算型)
SBI
三井住友・中小型株ファンド 三井住友
ニッセイアセットげんせん投信 ニッセイ

※インタビュー実施時(2018年11月30日)時点のデータです。

──他に何かファンド選びの基準はありますか。

 なぜそのようなポートフォリオにしたのか、それぞれの銘柄を組み込んだ根拠はどこにあるのか、今後の値動きをどう分析しているのか、そうしたことをきちんと開示しているかどうかをかなり重視します。上場企業はどこもIR資料を作成し、誰でも見られるように企業HPなどで公開しています。投資家はそれらを参考にして、投資するかどうかの判断を下すわけです。当然、投資信託会社も投資判断の元になるデータや分析結果を提供すべきだと思うのですが、きちんと公開しているところは決して多くないんです。

──運用報告書や月次レポートは発行しているわけですよね。

 はい、でも、通りいっぺんのことしか書かれていなかったりします。

──そういう投資信託会社は好感が持てない?

 そうですね。じつは以前、ポートフォリオが気に入って、あるファンドを買ったら、月次レポートがあまりにひどく、「改善してほしい」とメールしたことがあるんです。そうしたら「そのつもりはない」とはねつけられました。こんな会社とは付き合いきれないと思い、すぐに売却しました(笑)。

──ということは、今、保有しているファンドについては月次レポートなども満足している?

 まあ、そうですね。これは僕の私感ですが、独立系の会社には情報開示に力を入れているところが多いように思います。先ほど話したスパークスの月次レポートとか、とにかく内容が濃くて、読み応えがあります。また、レオス・キャピタルワークスや鎌倉投信は、顧客向けにセミナーや勉強会を開いたりもしています。顧客と一緒に歩んでいくという姿勢が伝わってきて、好感が持てます。