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追加利上げ予測から「金」は反落。クルド人独立リスクから「原油」も反発
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

追加利上げ予測から「金」は反落。クルド人独立リスクから「原油」も反発

2017/10/2
・追加利上げ予測から「金」は反落
・在庫減の非鉄は下落
・クルド人自治区の独立リスクから、原油は反発
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追加利上げ予測から「金」は反落

 金相場は小幅反落。8月の米PCE(個人消費支出)物価指数がやや弱かったものの、FRB(米連邦準備制度理事会)が12月に追加利上げするとの期待がマーケットに強く、米国債利回りが堅調に推移していることが売り材料となった。

 9月に2. 8%安となった金相場は、第3四半期では2.9%高と、プラス圏を維持。北朝鮮のミサイル実験を含む地政学的リスクを背景に、7月と8月が上昇傾向にあったことが背景にある。

 一方、米国のインフレ指標は低迷している。コアPCEは前年同月比1.3%上昇であり、利上げを行うには程遠い水準である。しかし、市場における12月の利上げ確率は73%と高水準を維持しており、利上げが可能とされる70%を超えている。現在の状況で拙速な利上げを行えば、株価が下落し、景気が鈍化する可能性がある。そのような状況が見えている中で、イエレン議長がギャンブルをすると考えにくい。今は1,280ドルでの下値固めの状況だが、1,270ドルを大きく下回らなければ、上昇基調は維持されると考えてよいだろう。「低金利・ドル安・株高維持」が米国の基本戦略であることを忘れてはならない。

 

在庫減の非鉄は下落

 非鉄相場はおおむね下落。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。

 アルミは下落し、2,120ドルのサポートを割り込んだ。最大で2,080ドルまでの下げは見ておきたい。銅も下げたが、6,420ドルのサポートを維持しており、基調は何も変わっていない。6,600ドルを超えると再び上昇に勢いがつくだろう。ニッケルは安値圏で推移しているが、踏ん張っている。1万270ドルを維持できていれば、いずれ上昇に転じるだろう。亜鉛は堅調。高値を更新しており強い。鉛も同様の推移である。これで明確に高値を超えると、さらに状況は改善するだろう。

 北朝鮮情勢の悪化は懸念材料だが、基本的な上昇基調は維持されている。

 中国市場は国慶節で今週は休場となる。中国の9月の製造業PMI(購買担当者景況指数)は52.4と、前月の51.7から上昇。2012年4月以来の高水準となった。

 9月の非製造業PMIは55.4と、8月の53.4から上昇。これは2014年5月以来の高水準だった。中国経済の見通しに関して楽観的な見方が再び優勢になりつつある。

 

クルド人自治区の独立リスクから、原油は反発

 原油は反発。ブレント原油の第3四半期の上昇率は2割に達し、2004年ぶりの高水準だった。目先はイラク北部クルド人自治区をめぐる地政学的リスクが意識されているという。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油も第3四半期は、ここ10年で最も堅調だった。原油相場の上昇はハリケーン「ハービー」の襲来で閉鎖されていた米製油所の操業再開に伴う需要回復への期待にも支援されている。

 米国内の石油掘削リグ(装置)稼働数は前週比6基増の750基となり、増加は7週間ぶり。一方で、9月は月間ベースで前月比9基減少となり、2カ月連続の減少となっている。

 OPEC(石油輸出国機構)の9月の産油量は日量3,286万バレルと、前月を5万バレル上回った。イラクとリビアにおける増産が要因だった。イラクでは、クルド人自治区からの輸出増を背景に日量4万バレル増となった。

 協調減産を免除されているリビアの産油量は、シャララ油田の稼働再開を受けて5万バレル増加した。ただし、同国の生産は変動しやすいため、今後も読みづらい。

 同様に減産対象外のナイジェリアは日量3万バレル減少した。輸出パイプラインの閉鎖で、ロイヤル・ダッチ・シェルの合弁会社がボニーライト原油輸出に不可抗力条項を発動したことが影響したもよう。

 OPEC加盟国11カ国による協調減産順守率は86%で、8月の89%から低下した。輸出首位のサウジアラビアが、目標以上の減産を実施し、引き続き、より大きな負担を引き受けている格好となっている。

 一方、EIA(米エネルギー情報局)によると、7月のガソリン需要は前年同月比0.1%減の日量957万3,000バレルだった。前年比での減少は4カ月ぶり。1~7月のガソリン需要は前年同期比0.46%減だった。歴史的なハリケーンシーズンによる需要減を反映したデータが今後数カ月にわたって公表されることになるため、ガソリン需要はさらに減少する可能性が指摘されている。

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