※このインタビューは2020年3月19日に実施し、2020年4月24日に初回掲載したものです。

 中学2年で株式投資を始め、昨年、累計利益4億円を達成、人気ブログ『かぶ1000投資日記』を運営するかぶ1000さんインタビューの後編をお届けします。

 今回は、『会社四季報』の活用の仕方や現在のポートフォリオについて、さらに投資ビギナーへのアドバイスもお願いしました。

『会社四季報』の使い方。前の号からどう変化したかをチェック!

──銘柄選びには『会社四季報』が欠かせないとのことですが、実際、どのように活用されているのですか。

 新しい本が出たらすぐに買ってきて、とにかく読みあさります(笑)。

──全上場企業ですから4,000社近く掲載されていますよね。それをすべて読むのですか。

 一部スルーする業種もありますが、ほとんどすべてチェックします。

 だから、四季報を読んでいる時間はそうとう長いと思います。普段は1日2時間くらい、多いと10時間くらい読み続けることもあります。

──そうして投資先を絞っていくのですか。

 はい。僕は読みながら、赤、緑、青、黄色の4種類の付箋を貼っていきます。

 赤は保有している銘柄、緑は今すぐ買ってもいいと思う銘柄、青は株価が下落中で、その動きが止まったときに買うか買わないか決めようと思う銘柄、黄色は今は買えないけど、いずれ値が下がったら買ってみたい銘柄です。

──それぞれどれくらい貼るのですか。

 赤は当然、そのときによって違います。緑は少ないですね。3つとか4つとか。青は時期によって違いますが、今はコロナ・ショックで多くの銘柄が下落しているので、いつもよりかなり多く貼っています。黄色は40~50銘柄くらいですね。

──次は緑のどれかを買う、ということでしょうか?

 その可能性は高いです。ただ、青、あるいは黄色から一気に緑に格上げし、その勢いで買うこともあります。

──四季報にはさまざまなデータが掲載されていますが、それらのデータを読むコツのようなものはありますか。

 その号に出ているデータだけで判断せず、前の号からどう推移したか、どう変化したかをチェックすることですね。

 僕は資産ベースで割安かどうかを判断するわけですが、前にも言ったように資産というのは3カ月とか半年で大きく増えたり減ったりするものではありません。今回のコロナ・ショックや東日本大震災のような大きな出来事があったときは別ですが。

 だからこそ、ちょっとした変化を見逃さないことが大事なんです。

──例えばどんな変化に注目するのですか。

 僕が重視しているのは株主構成です。大株主が変わったりしたら、TOB(株式公開買い付け)やMBO(マネジメント・バイアウト/経営陣買収)など何かが起こる予兆と考えられます。

 自社株を買ってすぐに消却したとか、従業員持株会の割合が変化したとか、注意深くチェックします。

──前の号と照らし合わせながら読むのですか。

 いえ、読んでいて「アレ、ここ、前と変わったかも」とか違和感があったら、前の号をひっぱり出して、確認します。

──1冊丸ごと頭に入っている、ということでしょうか?

 それは言い過ぎですが、銘柄によっては何度も繰り返し読むので、ちょっとした変化でもだいたいはわかります。