世界的な混迷リスクを背景に「金」は続伸

 金相場は上昇。一時は値を下げる場面もあったが、地政学リスクの高まりを背景に安全資産として買われた。

 北朝鮮と米国の緊張の高まりに加え、24日投開票のドイツ連邦議会(下院)選挙でメルケル首相率いる与党・保守党が完全に勝利したとは言えない結果になったことが材料視された。

 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相はこの日、トランプ米大統領が宣戦布告をしたと発言。北朝鮮は、米戦略爆撃機の撃墜を含む対抗措置を取る権利を有していると主張した。

 これを受けて、投資家は株式などのリスク資産から金や米国債などの安全資産に資金をシフトさせる動きが短期的に強まる可能性がある。結果的に1,280ドルを割り込まずに1,300ドルを回復しており、目先の底値を確認した格好となっている。今後も短期的には北朝鮮情勢が金相場を左右することになりそうである。

 また、米国債が買われることで米長期金利が低下すれば、これも金利のつかない金の水準を支えることになるだろう。1,320ドルを超えると、チャート的には上昇しやすくなりそうだ。

 

非鉄は上昇基調を維持

 非鉄相場はおおむね下落。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。

 アルミは小幅安で、基調は維持されている。銅も小幅反落だが、6,380ドルを維持できれば基調は維持されていると判断できる。ニッケルは横ばいだが、辛うじて1万600ドルのサポート維持している。亜鉛は上昇し、堅調に推移。鉛は小幅安だが、高値圏にいる。

 北朝鮮情勢の悪化は懸念材料だが、基本的な上昇基調は保たれている。

 

需給バランス調整効果で原油急伸。2015年7月以来の高値に

 原油は急伸。ブレント原油が3%超続伸し、59ドル台まで上昇。2015年7月以来の高値をつけた。需給が再均衡に向かっているとする主要産油国の見解が好感されたもよう。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油も3%高の52ドル台にまで上昇し、4月以来の高値をつけた。ただし、WTI原油は米シェールオイルの増産で上値が重いため、OPEC(石油輸出国機構)加盟・非加盟国の協調減産の効果が出ているブレント原油とのスプレッドが拡大。現在は6.61ドルに拡大しており、2015年8月以来の大きさとなっている。

 OPEC加盟国と非加盟国は22日、ウィーンで協調減産の合同閣僚監視委員会を開催したが、議長を務めたクウェートのマルズーク石油相は「協調減産が世界の原油在庫をOPECの目標である5年平均水準まで削減するのに役立っている」と発言したことが材料視された可能性がある。協調減産の期限は2018年3月末だが、ロシアのノバクエネルギー相は「期限を延長するかどうかについて、来年1月前には決定しない」との見通しを示しており、減産延長に消極的な姿勢を見せている。

 しかし、他国の複数の閣僚は年内に決定が出る可能性を示唆しており、原油価格の一段の引き上げの好機とみている投資家も少なくないようである。いずれにしても、ブレント原油が高値を更新し、WTI原油もようやくチャートポイントとなっていた51ドルを超えてきた。

 WTI原油が52.65ドルを超えてくれば、節目の55ドルを目指す動きになるだろう。とはいえ、現状でも依然として割安であるとの見方は変わらない。

※9月27日(水)~9月29日(金)の3日間、本連載は休刊となりますので、ご了承ください。