金融緩和の有無=流動性が下落スピードの違いを生んだ?

 “下げ方が速い”――この原因は大きく2つ挙げられます。1つ目が、「当時は金融緩和していない、今は金融緩和の真っ最中」だという点。リーマン・ショックの時は日本株の商いが全く増えませんでした。今は現物も先物も、商いが急増しています。流動性は潤沢だからです。

 結果、レバレッジをかけたポジションで下方向に強く振れても、買い戻しも入る……戻すように見せるわけです。ただ、根っこにある問題は一切解決していない(日本は消費増税の影響で新型コロナ前から経済ボロボロになっていた問題など)、この繰り返しです。

 “下げ方が速い”――2つ目の理由は、システム取引が発達し過ぎたことが挙げられます(こっちが大きい)。例えば、人間であれば“ためらう”値段でも、容赦なく売ってくる(上がるときは買ってくる)――そういう存在が、市場における価格決定の主導権を握っていることで、“まさか”が普通にやってくる……。