※本記事は2019年4月19日に公開したものです。

2009~2013年、リーマン・ショック後の金に異変!

 今回は、リーマン・ショックでいったん下落した金が、その後、2009~2013年の間、再び急騰した金の背景を探っていきます。

図:金価格の推移 (東京先物市場 期先、月足、終値)

単位:円/グラム
出所:東京商品取引所(TOCOM)のデータをもとに筆者作成

 2008年9月15日(月)、資産規模米国証券第4位のリーマン・ブラザーズが破綻しました。いわゆる「リーマン・ショック」です。2007年の米住宅バブル崩壊に端を発した、低所得者向けローン(サブプライムローン)などの大量の焦げ付きが原因でした。

 この日は同社の破綻だけでなく、財務悪化によって投資銀行のメリルリンチがバンク・オブ・アメリカに買収された日でもあります。2008年は、米国経済への不安が急拡大し、そのふくれ上がった不安が世界規模の未曽有の金融危機に発展していった年でした。

 リスクや危機と関わりの深い金相場は、当時、リーマン・ショックの荒波に飲み込まれ、一時急落。2008年10月に東京金は2,104円、NY金は681ドルにまで値下がりしました。

 しかし、その直後から金は急騰を開始。NY金はリーマン・ショック発生から3年目の2011年9月に、歴史的な高値である1,900ドル台に、東京金は同ショック発生から5年目の2013年2月と4月に5,000円台に達しました。 なぜ、この4年間に金価格は急騰したのか? それには、米国の金融政策が大きく影響していました。