※この記事は2020年02月07日に公開したものを、2022年度の最新情報にアップデートして再公開しております。

 確定申告シーズンでよく話題になるのがいわゆる「20万円問題」。

 副業で稼いだ収入や暗号資産(仮想通貨)の売却益、外貨預金の為替差益など、給与所得以外のちょっとした所得が20万円以内であれば、確定申告しなくてもよい、という制度です。

 今回は、この知っているようでよく分からない20万円問題を分かりやすく解説します。

確定申告をしなければいけない人とは

 国税庁のホームページをみると、給与所得者であっても、次に該当する人は確定申告をしなければならない、となっています。

  1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
  2. 1カ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
  3. 2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
    (注) 給与の収入金額の合計額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
  4. 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
  5. 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
  6. 源泉徴収義務のない者から給与等の支払いを受けている人
  7. 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

 ここでポイントとなるのが2の記述です。1カ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要と書いてあります。

 したがって、その裏を返せば、1カ所から給与の支払いを受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以内であれば確定申告は不要である、と読むことができます。
 これが、「会社員で給与以外の所得が20万円以内なら確定申告しなくてよい」と言われている理由です。

 なお、一部では2カ所以上から給与の支払いを受けている人は対象外という説明がなされていますが、厳密には正しくありません。
 上記3のように、年末調整された主たる1カ所の給与を除いた所得の合計額が20万円以内であれば、確定申告を不要とすることができます。3の注書に該当する場合も確定申告不要です。

 給与収入が2,000万円を超える方については、年末調整で課税が完了しない(そもそも年末調整できない)ので給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以内であっても確定申告が必要です。