つみたてNISA、どの投資信託を選べばいいの?

 今回は「つみたてNISA(つみたてニーサ:積み立て型の少額投資非課税制度)」の活用法について考えていきます。

 最初に押さえておきたいのは、「制度」ありきで考えないこと。

「つみたてNISA」に関心をお持ちの方は制度を使うのが目的ではなく、稼いだお金の一部を貯蓄や投資に回して、長期的にお金を育てていく(=資産形成を行う)ことが目的ですよね。

 ですから、制度を目いっぱい使うとか、効率的に使おう、と考える前に、まずは家計の現状把握(資産や負債、収支など)や、投資する目的、運用できる期間、投資に回す金額などを整理しましょう。大事なのは、運用方針を明確にした上で、制度をどう使うかを決めることです。

 つみたてNISAに向いているのは、対象となっている投資信託(インデックス投信が中心)を活用して、年間40万円以内でコツコツ資産形成をしていきたい人です(iDeCo《イデコ:個人型確定拠出年金》や企業型確定拠出年金と併用して使うとより効果的)。つみたてNISAはETF(上場投資信託)も対象になっていますが、対象商品が少ないため、ここでは投資信託を中心にお話します。

 この制度は1.運用益が非課税、2.投資信託の手数料が低い(対象商品はすべて購入時手数料が無料で保有中にかかる運用管理費用《信託報酬》の料率にも上限あり)、3.非課税期間が最長20年――という特徴があります。長期で効率的な運用ができるので、金融資産全体で考えると、なるべく期待リターンの高い商品で運用するのが合理的です。

 そもそも、つみたてNISAは「株式に投資する投資信託」か、「株式を含む資産複合型(バランス型)」が対象です(債券やREITだけに投資する商品などは対象外)。長い期間をかけて運用していける人は「株式に投資する投資信託」をメインに据えたいところです。