ユニゾHDには、敵対的買収が仕掛けられた

 純資産価値から見て極端に割安に放置されている株に、敵対的買収を仕掛ける動きが、少しだけ日本でも復活しています。ユニゾHD(3258)へのTOB(株式公開買付)がそうです。

ユニゾHD株価推移:2019年1月4日~12月4日

出所:賃貸不動産の含み益は、同社有価証券報告書

 ユニゾHDは、ホテル事業などを展開する不動産会社で、2019年3月時点で保有不動産に1,137億円の含み益があります。ところが、株価が長期的に低迷していて、今年の6月末には株価1,844円、実質PBRで0.3倍まで売り込まれていました(実質PBRは、含み益の70%を自己資本に加えて計算したPBR)。

 そこに、HISや海外ファンドなどから敵対的買収がかかり、12月4日時点で株価は2.6倍の4,850円まで上昇しています。それでも実質PBRは0.8倍と、まだ1倍を割れています。

 不動産や倉庫株には今、業績好調でも、賃貸不動産の含み益を考慮した実質PBRが0.6倍を割れている銘柄が多数あります。