2018年問題を無事クリアした都心オフィスビル、2020年はどうか?

 オフィスビルには、2017年まで、「2018年問題」と呼ばれて警戒されていた問題がありました。2018年に都心でオフィス供給が大幅に増加するので、一時的に供給過剰となり、賃料が下がるという警戒でした。蓋を開けてみると、2018年に新規竣工したオフィスは、増加する需要で難なく吸収されました。

 オフィスの利用状況を見ると、各机にパソコンが常備され、通路が広くなるなど、1人当たりの占有面積が拡大する傾向があります。商業施設でも、通路や駐車スペースが広くなるなど、より大きなスペースを必要とする造りに変わってきています。景気回復に加え、1人当たり占有面積の拡大が、想定以上の需要増加につながっています。

 ただし、気をつけなければならないこともあります。オフィス供給には「2020年問題」と呼ばれている懸念もあります。2019年のオフィス供給はさほど増えませんが、2020年に再び供給が大幅に増えることです。その時、空室率が上昇する懸念があります。

 実際どうなるか、その時になってみないとわかりません。20年の大量供給も、増大する需要で吸収されてしまえば、2021、2022年のオフィス供給は大幅に減少するので、オフィス市況は高止まりが続くことになります。