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リスクオンで金は下落、原油は大幅続伸
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

リスクオンで金は下落、原油は大幅続伸

2017/9/14
・ドル買いで金相場は下落したが上昇の可能性も
・非鉄相場は軟調な動き。LME在庫は銅と亜鉛が急増
・供給過剰緩和見通しで原油は続伸
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ドル買いで金相場は下落したが上昇の可能性も

 金相場は下落。ドルの上昇を受けて下げている。また、米国株が過去最高値を更新していることで、投資家のリスク選好の動きが強まっていることも、上値を抑えているといえる。米国の8月のPPI(卸売物価指数)が上昇したことで、14日発表のCPI(消費者物価指数)への期待が高まったことが、金相場の重石になっている。北朝鮮の核開発に対する懸念は金相場にとっては引き続きポジティブ要因だが、あくまで短期的な材料でしかない。

 基本的には低金利・ドル安が下支え要因であり、この状況が続く限り、金相場に弱気になる理由はない。19・20日にはFOMCが開催されるが、CPIの内容が影響する可能性がある。ここである程度強い数値が出るようだと、年内あと1回としている利上げへの確信が高まる可能性もある。しかし、原油相場が依然として低迷している中、中長期的なCPIの上昇は見込みづらい。FOCM(連邦公開市場委員会)を受けて、年内利上げ観測が後退すれば、ドルが売られ、金相場の上昇が再加速する可能性は十分にある。

 

非鉄相場は軟調な動き。LME在庫は銅と亜鉛が急増

 最近の価格急騰で在庫の持ち込みが増えているものと思われる。アルミは反落したが、サポートの2,100ドルを維持している。銅は続落、6,700ドルを割り込んだ。これは手仕舞い売りが加速しやすい動きである。場合によっては、6,300ドルまで下げる可能性がある。ニッケルも大幅反落となり、1万1,500ドルでサポートを割り込んだ。亜鉛は続落だが、直近安値近辺で辛うじて下げ止まっている。ただし、3,000ドルを割り込むと、2,900ドル近辺まで下げる可能性がある。鉛は2,250ドルのサポートを維持しており、崩れていない。14日には中国の8月の鉱工業生産、小売売上高、1~8月の都市部固定資産投資などの発表がある。これらの指標がよほど弱い内容でなければ、市場の不安感は高まらないだろう。

 

供給過剰緩和見通しで原油は続伸

 原油は続伸。IEA(国際エネルギー機関)が発表した月報で、供給過剰が和らぎ始めていると指摘したことが好感された。EIA(米エネルギー情報局)が発表した週間石油在庫統計では、ハリケーン「ハービー」の影響で原油在庫が大幅増となったが、材料視されていない。むしろ、ハリケーン後の製油所の操業回復で原油処理量が増えるとの見方が大勢を占めている。ハリケーンの影響を見極めるには時間がかかるが、現在の価格推移は妥当だろう。

 EIAが発表した9月8日までの週の米国内の原油在庫は前週比590万バレル増、ガソリン在庫は同840万バレル減、ディスティレート在庫は同320万バレル減だった。米国内の産油量は日量935万バレルとなり、前週比57万バレル増だった。ハリケーンによるメキシコ湾岸の生産が再開されている。

 一方、原油輸入は前週比60万バレル減少している。製油所稼働率は77.74%で、前週比1.92%低下。まだかなり低い水準での操業であり、これが回復してくると、原油需要が増えるため、原油在庫は確実に減少する。またガソリン需要は日量962万バレルと、前週から40万バレル増加しており、徐々に戻ってきている。

 一方、クウェートのマルズーク石油相は協調減産合意の延長について、「OPECが11月の総会で決定に達しなかった場合、来年3月に臨時総会を開く可能性がある」としている。マルズーク石油相は「11月の総会では合意延長の決定に至らないかもしれない。この問題に関しては3月中旬に臨時総会を開くことができる」としている。

 また、IEAは月報で、「欧州と米国の需要が予想以上に伸びる一方、OPEC(石油輸出国機構)加盟国・非加盟国の生産が減少した結果、世界の石油在庫は縮小し始めている」との見方を示している。IEAは17年の世界石油需要は日量160万バレル増加するとし、前回予想の日量150万バレル増を引き上げた。IEAは「OECD(経済協力開発機構)の需要の伸びは、引き続き想定を上回っている。特に欧州と米国で需要拡大が顕著」と指摘した。先進国の旺盛な需要を背景に、世界の石油需要は第2四半期に日量230万バレル増加。

 一方で供給を見ると、世界の石油生産量は8月に日量72万バレル減少し、4カ月ぶりに減少している。また8月下旬に米南部の製油所が被害を受けた大型ハリケーン「ハービー」に関しては、「一時的な混乱は避けられないものの、世界の石油需給に与える影響は限定的」とした。さらに9月に発生したハリケーン「イルマ」の影響については、「ハービー」よりも軽微にとどまる可能性が高いとしている。IEAの予測通りになれば、市場もさすがに弱気な見方を維持し続けるわけにもいかなくなるだろう。

 

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