銘柄選びには割安株と成長株を選ぶ方法があります。では、割安株かつ成長株を見つけ出すことは可能なのでしょうか? 見るべきポイントとは?

割安株が弱く成長株が強い現在の日本株

 皆さんは、投資する銘柄をどのように選んでいますか? 短期売買であれば、株価チャートの形状や、株価の勢いで選びますが、中長期投資の場合は、売買のタイミングを計る際には株価チャートを使うものの、基本はファンダメンタルズ(企業の業績)で選ぶことが多いと思います。

 その中長期投資の銘柄選びを大きく分けると「割安株」への投資と「成長株」への投資の2つがあります。それ以外にも景気敏感株や復活株といったカテゴリーがありますが、今回はよく使われる選び方の割安株と成長株の2つに絞って説明します。

 ここ最近は、成長株が強い環境となっていて、2012年終わりから続いているアベノミクス相場全体を通じては、成長株が強い時期の方が圧倒的に長いというのが現実です。

成長株と割安株は見つけ方が異なる

 成長株と割安株の見つけ方は根本的に異なります。

 成長株は「とにかく業績の伸びを重視」。つまり、売上高や利益が毎期増加していることが重要です。

 成長株の特徴として、PER(株価収益率)が高くなりがち、という点があります。30倍、50倍は当たり前、中には100倍以上のものもあります。それでも株価が上昇を続けるのが成長株のすごさです。

 一方の割安株は、「企業価値と比べて現在の株価が割安かどうか」を判定します。個人投資家が気軽に判定するための指標としてはPER、PBR(株価純資産倍率)、配当利回りなどがあります。

 たとえばPERをもとに判定するのであれば、PERが低いほどその株は割安とされます。

 ここまで読んでお気づきになった方が多いかもしれません。成長株のPERは概して高く、PERが低い銘柄は割安株になります。

 つまり、PERを用いて割安株を見つけようとすると、PERの高い成長株は全くヒットしなくなるのです。