ECBの金融政策にらみ、金は1年ぶりの高値

 金相場は上昇し、1年ぶり高値をつけた。

 米国の労働市場関連統計が弱かったことや、ECB(欧州中央銀行)が経済成長とインフレの見通しを変更しなかったことを受けて、ドル安が進行した。

 米週間新規失業保険申請件数は急増し、2年超ぶりの水準に達した。ハリケーン「ハービー」がテキサス州に上陸したことが背景と見られており、ドルが下げやすい地合いにある。また、長期金利も低下しており、ドルは買われづらい。

 ECBは10月にも資産買い入れ圧縮の方向性を示すもようであり、これもユーロ高・ドル安を促しており、金相場を押し上げている。

 北朝鮮情勢の不透明感もあり、金市場を取り巻く環境はきわめてポジティブである。この状況がすぐに解消される可能性は低く、金相場はさらに上値を試す可能性がある。

 米実質金利から見た金相場のフェアバリューは1,350ドル程度であり、現在の水準は決して割高ではないことも理解しておく必要があるだろう。

非鉄は反落するも、高値圏でのもみ合いか

 非鉄相場は反落の動き。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが増加した。

 アルミは小幅反落だが、高値を維持。2,080ドルにあるサポートが短期的には重要である。銅は下げたものの、小幅で基調は何も変わらず。6,650ドルまで下げても、調整の範囲内だ。ニッケルも下げたが小幅であり、基調は変わらない。亜鉛は上昇し、鉛は小幅安だが、ともに基調は何も変わらない。

 非鉄相場は最近の急伸の影響で目先は高値圏でのもみ合いが想定される。多少の調整と日柄を経ると、再び高値を目指す動きになると考えている。本当の大相場はまだ先にある。

新たな大型ハリケーン懸念から、原油は小幅安

 原油はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油が小動きだった。EIA(米エネルギー情報局)発表で、WTI原油の在庫の積み上がりが確認されたことが重しとなっている。ハリケーン「ハービー」の影響で閉鎖されていた製油所の稼働再開が進む中、新たなハリケーン「イルマ」が懸念材料となったもようだ。

 一方でブレント原油は続伸し、5カ月ぶりの高値。原油相場の本来の基調は強くなっていることを理解する必要がある。

 EIAによると、ハービーの影響で先週の米国の製油所稼働率は16.9ポイント低下し、79.7%となった。製油所稼働率の急低下により、原油在庫の増加が今後数週間続くのはほぼ確実だが、あらかじめ織り込み済であれば、問題ない。

 メキシコ湾岸の石油施設はハービーの打撃から次第に回復しつつあるが、現在カリブ海にあるイルマの影響で米国の原油輸出入が中断するとの見方もある。

 EIA在庫統計では、原油在庫は前週比458万バレル増加し、ガソリン在庫は同320万バレル減、ディスティレート在庫は同140万バレル減。原油輸入も同82万バレル減だった。

 一方、米国内の産油量は日量878万バレルとなり、前週から75万バレル減少。ガソリン需要は大幅に減少し、日量916万バレルと、前週から68万バレルも減少。ハリケーンの影響が明確に現れている。当面は同様のデータ公表が続くだろうが、その後のデータが重要になる。