リスク要因が多く、金は高値更新

 金相場は上昇。約10カ月ぶりの高値を付けた。

 8月の米雇用統計でNFP(非農業部門雇用者数)の伸びが市場予想以上に減速し、賃金の伸びが鈍化したことから利上げ観測が大きく後退し、高値を更新する動きとなっている。

 また、北朝鮮情勢の悪化から4日朝方の時間外取引では1,330ドル台にまで上昇している。金市場を取り巻く環境はきわめてポジティブであり、押し目がない状況が続いている。さらに米国は、9月末までに解決が必要な債務上限問題も抱えており、市場における懸念材料は多い。低金利とドル安という本質的な材料に加え、地政学的リスクや政治リスクなど付随的な買い材料も加わり、金相場は堅調な推移を続けることになるだろう。

 世界最大の金ETF(上場投資信託)であるSPDRゴールドトラストの保有高は8月25日の805.20トンから、9月1日には831.21トンに増加。COMEX(ニューヨーク商品取引所)金先物市場での大口投機筋のポジションは、8月29日時点で23万1,047枚の買い越しとなり、前週から2万2,609枚増加した。買いポジションが2万3,172枚の大幅増となった一方、売りポジションも563枚とわずかではあるが増加した。

 ここ最近の投機筋は、新規の買いポジションの積み増しと売りポジションの買戻しを進めている。売りポジションをわずかではあるが、積み増す動きとなっている。高値にあると判断した向きが売りを出したものと思われ、今後の動向を注視したい。

 いずれにしても、「株高・金高」基調が続く、歴史的相場に入ったといえる。また、プラチナ・パラジウムも高値を付けている。貴金属市場から目を離すことはもはやできなくなっている。

非鉄は歴史的な上昇か

 アルミ、銅、ニッケル・亜鉛、鉛はロングポジション(買い持ちのポジション)を継続。繰り返しで恐縮だが、非鉄銘柄は歴史的大相場に入ったという、これまで指摘し続けてきたことが本格化し始めている。

 コモディティは2020年を目指して再び強い動きになるだろう。特に非鉄は需給サイクルが見えており、3年後の供給不足が確実である。新規開発が遅れ、供給増がない中で需要が増えるという、価格が上昇する典型的なパターンである。

 今回の上昇は相当の大幅なものになる。このような将来が見えている中で、非鉄市場に目を向けるべきである。繰り返すように、今の動きはあくまで上昇相場のスタートラインでしかない。非鉄市場は今後需給がひっ迫する可能性が高く、市場はこれをこれから織り込み始めるだろう。

 2019年までは現在の安いロングポジションを維持しながら、押し目を買ってポジションを厚くする戦略が賢明である。長期的には需給がひっ迫し、これが価格上昇につながることになる。その意味でも、非鉄相場への期待感はきわめて大きい。

 とにかく、長期的に非鉄相場の動きを見てくことだ。そして、大きく下げたときに押し目買いを入れるのが鉄則である。下げたときにしっかりと買い、保有コストを下げながら保有し続けることが肝要である。

 非鉄銘柄は長期的には2020年までの有望銘柄である。銅は年末にかけて7,700ドルを目指すとの見方は変えていない。そして、長期的には大相場が到来すると考えている。したがって、少額でもよいので銅を中心に非鉄銘柄をポートフォリオの中に入れておきたい。非鉄相場を視野に入れておかないのは、あまりにもったいない話である。

原油は横ばい、ガソリンは反落

 原油はほぼ横ばい。米ガソリン先物は反落し、ハリケーン「ハービー」の襲来以来、初めて下落した。

 米国の製油所に再稼働の動きが出ているものの、原油相場への影響はなかった。米ガソリン先物は前日に2ドルを超える2年ぶりの高値を付けていた。しかし、この日は製油所2カ所の再稼働や一部港湾の再開を手掛かりに売られた。市場では、製油所の動向が明確になるまで、原油相場は一進一退となるとの見方がある。

 米政府はSPR(戦略石油備蓄)の緊急放出で、この日は新たに350万バレルの追加放出を承認した。これで450万バレルの放出が可能になったことになる。EIA(米エネルギー情報局)は、ハービー接近を受けて製油所が石油製品を増産したため、米国内の原油在庫は前週に急減したとしている。

 一方、ロイター調査によると、8月のOPEC(石油輸出国機構)産油量は今年の最高水準から日量17万バレル減少したもよう。さらに、米国内石油掘削リグ(石油掘削装置)稼働数はハービーの影響で、前週と同水準の759基にとどまっている。これらを材料に、原油相場は反転に向かう可能性がある。

 またIEA(国際エネルギー機関)は、ハービーによる被害で石油精製施設などが操業停止となったものの、石油非常備蓄の放出の必要性は現時点でもないとの見解を示している。

※9月4日は米国市場が休場日のため、9月5日の「コモディティ デイリーコメント」は休載します。