金は上昇基調を維持

 金相場は上昇。1,300ドルを超えた前日からさらに水準を切り上げ、昨年11月以来の高値をつける場面があった。これは、北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受けて、安全資産としての価値が見直されている動きだ。

 地政学リスクの高まりにより、金のほかにも米国債などの安全資産に対する需要拡大の可能性が指摘されている。このような動きはしばらく続きそうだ。

 一方で、米国株が安値から大幅に切り返しており、それに伴って金相場も上ヒゲを付けており、目先の高値をつけた可能性もある。しかし、1,300ドルの大台を超えたこともあり、これが続けば、上昇基調も維持されることになるだろう。

 さらに、ドル安基調を背景として、金相場の堅調地合いが年末まで続くものと考えられる。

 12月の米利上げ確率が、前週時点の40%から32%にまで低下しており、これも金相場の支援材料になる。

 一方、プラチナが1,000ドルの大台を超えてきた。プラチナもいよいよ本格的な上昇基調に入った可能性がある。

 また、パラジウムも高値を更新。いよいよ強い動きが本格化しそうな雰囲気となった。

非鉄は堅調基調

 非鉄相場は堅調。LME(ロンドン金属取引所)在庫は、アルミ、ニッケル、鉛が増加したが、最近の上昇に対する余剰在庫の持ち込みが見られるといえる。もっとも、基調は強い。

 アルミは戻し、2,100ドルをうかがう展開にある。銅は高値を更新し、6,800ドルをつけている。ニッケルは反発し、1万1,730ドルで引けている。亜鉛・鉛も反発。非鉄相場はすでに歴史的な相場に入っている可能性が高い。

在庫の積み上げ観測から、原油は下落

 原油は下落。大型ハリケーン「ハービー」の影響で米国の原油処理施設が停止しているが、燃料生産の落ち込みで原油在庫が一段と積み上がるとの観測が、原油の上値を押さえている。

 一方で製油所の停止でガソリン生産が減少し、在庫も減少するとの見方からガソリン先物は大幅続伸している。

 BSEE(米内務省安全環境執行局)によると、テキサス州沿岸部をハリケーンが直撃したことで、メキシコ湾の米原油生産は29日時点で全体の18%以上(日量約31万9,523バレル)が停止しているもようだ。ただし、生産状況は28日から若干回復している。

 取引終了後にAPI(米石油協会)が発表した原油在庫は減少したが、ガソリン在庫が増加している。ディスティレート在庫は減少した。

 一方、リビア中央銀行は声明を発表し、パイプラインの封鎖で国内3カ所の油田が操業を停止したことにより、リビアの原油生産量が日量約35万バレル減少したとしている。

 リビアでは、抗議や封鎖、暴力行為などで、原油生産が頻繁に減少している。NOC(国営石油会社)は4年ぶりとなる日量100万バレル超まで産油量を回復させたが、結局は不安定な生産状況は変わっていない。1週間前には民兵組織がリビア最大のシャララ油田(生産量は日量約28万バレル)につながるパイプラインのバルブ2つを封鎖し、エルフィール油田とハマダ油田もパイプライン封鎖により操業を停止していた。リビアの増産がOPEC(石油輸出国機構)減産のもくろみを狂わせ、これが原油安につながった経緯があることを考慮すれば、今回の事態は少なからず、原油相場の下支えになるだろう。