金は本格的な上昇相場に

 金相場は急伸。1,300ドルを突破し、9カ月半ぶりの高値をつけた。

 先週の米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された金融シンポジウムでの講演で、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁がユーロ圏の景気回復が定着していると発言。ユーロ高に懸念を示さなかったことから、ドル安・ユーロ高が進行し、これがドル建て金相場の割安感につながっている。ここでは、イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長が金融政策に言及せず、米利上げ観測が後退したことも、金相場の上昇に拍車をかけたといえる。

 また、トランプ政権の不安定さや、政策運営に対する懸念、さらに北朝鮮情勢の不透明感なども、安全な実物資産である金相場を支えているといえる。時間外取引でも金相場はさらに上昇している。

 北朝鮮のミサイル発射によって低迷する米国株などの他の資産から、活況な金市場に資金がシフトする可能性がある。そうなれば、金相場は思わぬ一段高となる可能性も十分にある。

 1,300ドルが堅いという市場判断になれば、買い遅れていた実需筋も押し目を待たずに買う可能性があり、これも上値を押し上げる要素になる。これまで2回トライして抜けなかった1,300ドルを超えたことで、金相場は本格的な上昇相場に入ったと考えられる。

非鉄は堅調

 非鉄相場はサマー・バンクホリデーで休場。29日から取引が再開される。

 COMEX(ニューヨーク商品取引所)銅は反発。9月限は前日比2.95セント高の306.30セントだった。LME(ロンドン金属取引所)銅では65ドル相当の上昇であり、堅調さを維持している。

在庫積み懸念から原油は急反落

 原油は急落。ハリケーン「ハービー」による洪水でメキシコ湾沿岸の製油所が停止し、燃料生産が中断したため、ガソリン価格が2年ぶりの高値に急騰。一方で原油在庫が積み上がるとの思惑から、原油相場は急反落している。

 ガソリン先物は一時7%高の1.7799ドルまで上昇し、2015 年7月下旬以来の高値に上昇した。製油所の停止が長引いた場合、ガソリン在庫が急減する可能性があり、これが材料視されている。

 NHC(米国立ハリケーンセンター)によると、大型ハリケーン・ハービーの影響は29日まで続くもようで、洪水の地域がテキサス州東部からルイジアナ州に広がる見通し。テキサス州の原油処理能力は日量560万バレルで、ルイジアナ州は330万バレルだが、ハービーの影響で少なくとも240万バレルの処理能力が停止したとみられている。BSEE(米内務省安全環境執行局)によると、ハービーがテキサス州湾岸部を直撃したことで、米メキシコ湾の原油生産は現在も日量33万1,370バレルに相当する約19%が停止中となっているもようだ。

 一方、IEA(国際エネルギー機関)は、「世界石油市場の供給は十分で、今回のハリケーンに対する非常備蓄の放出は現時点で不要」という認識を示しつつも、「状況を注視し、大規模な供給障害に対応する用意がある」とした。

 こういったことから現在、ハリケーンの影響を原油市場では売りで対処している。しかし、生産量が減少しており、その数値がどの程度か、今週末までのデータが発表される来週の在庫統計で確認することになる。