facebook twitter
イエレン言及なしで「金」は上昇。ドル安・ユーロ高から、「原油」は反発
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

イエレン言及なしで「金」は上昇。ドル安・ユーロ高から、「原油」は反発

2017/8/28
・イエレン政策言及なしで、金は上昇
・非鉄は調整の動きが鮮明に
・割安感から、原油は反発
facebook twitter メールで送る 印刷

イエレン政策言及なしで、金は上昇

 金相場は上昇。米ワイオミング州ジャクソンホールで行われた金融シンポジウムでの講演で、米国のイエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長が金融政策に関する言及をしなかったことを受けて買われた。

 年内の追加利上げ観測の後退により、米長期金利が低下し、ドルが売られたことが金相場の上昇につながった。米国の政治の混乱や北朝鮮情勢への懸念も安全資産である金への関心を高める結果となっている。

 また、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が、ユーロ高への懸念を示さなかったことが、最近のユーロ高につながったことも、金相場を押し上げた。

 金相場は今年に入って1,300ドル超えを2回試したが、失敗している。しかし、年末にかけて1,370ドル前後までの上昇が見込まれる中、秋口にかけて高値を更新する動きに入るものと考えられる。1,300ドルを超えると、地合いは大きく強気に傾き、投資家も無視できなくなるだろう。

非鉄は調整の動きが鮮明に

 非鉄相場は調整の動き。LME(ロンドン金属取引所)在庫はアルミとニッケルが増加した。
アルミは2,100ドルを割り込んだが、基調は変わっていない。2,020ドルがサポートであり、それまでは押し目は買われるだろう。

 銅は堅調。6,700ドルを維持しており、基調は極めて強い。中国の7月の銅地金輸入が前年同月比12.8%増となっており、堅調だったことも下値を支えるだろう。

 ニッケルは最近の上昇の調整が入っている。しかし、かなり急激に上げているだけに、手仕舞い売りが入りやすく、いったんは1万1,000ドル程度までの調整を視野に入れておきたい。

 亜鉛は下げており、これもやや調整色が強まる可能性がある。3,000ドル程度までの下げは念頭に入れておきたい。鉛も上値から下げており、調整の動きが鮮明である。2,300ドル程度までの調整はあり得るだろう。

 今週は8月31日と9月1日に、中国の当局と民間の製造業PMI(購買担当者景気指数)が発表される。また9月1日には8月の米雇用統計も発表予定であり、これらの内容次第では、調整が進む可能性もある。しかし、トランプ政権の先行き不安でドルの上値が重い中、25日のイエレンFRB議長の講演を受けたドル売り地合いが続くことで、下値は支えられるだろう。

ドル安・ユーロ高から、「原油」は反発

 原油は反発。米メキシコ湾岸に接近中の大型ハリケーンに対する警戒感が強まる中、ドル安・ユーロ高の進行を受けて割安感から買いが入った。

 イエレンFRB議長が金融シンポジウムで講演したが、市場が注目していた金融政策に関する言及がなかったことから、ドルを売る動きが活発化し、これがドル建て原油の割安感につながった。

 さらに米国内の石油掘削リグ稼働数が前週比4基減の759基と2週連続のマイナスとなったことも下値を支えた。

 加えて、製油施設が集積する米メキシコ湾岸に向かって北上中のハリケーン「ハービー」の動向にも注目が集まった。上陸前には5段階中の上から3番目に当たる「カテゴリー3」に勢力を強めると見られたことが、買い材料視された。周辺地域では製油所の稼働停止が相次ぎ、石油精製処理が滞れば再び原油在庫が膨らむとの見方がある一方、原油生産にも支障が出るとの指摘もあり、見方が交錯している。

 BSEE(内務省安全環境執行局)によると、米メキシコ湾岸の原油生産の約22%が停止し、天然ガス生産は約23.2%が停止した。米エネルギー省は、「今回のハリケーンの影響で必要となれば、国の非常備蓄原油を放出する用意がある」としている。

 EIA(米エネルギー情報局)の予測によると、米国内の原油生産は2016年の日量890万バレルから、2017年は940万バレル、2018年は990万バレルに増加する見込みである。

 一方、中国の7月末時点の原油在庫は0.9%増の3,085万トンと、2016年9月以来の高水準となり、輸入増加や精製率低下が要因と見られている。精製品の在庫は減少した。国内での精製は7月に日量1,071万バレルと、2016年9月以来の低水準となった。ディーゼルとガソリンの在庫が減少し、夏期の消費増加が精製石油製品市場の供給過剰の縮小につながったことが示唆されている。ガソリン在庫は前月比7%減の753万トンと、半年ぶりの大幅減少。ディーゼルは5.9%減の746万トンだった。灯油は5.0%減の231万トンとなった。

 一方、JMMC(共同閣僚級監視委員会)は、原油市場の安定性確保に向けて、協調減産の期限を来年3月から延長することを含め、「あらゆる選択肢」を検討する用意があるとした。

 JMMCはOPEC(石油輸出国機構)加盟・非加盟国で構成され、協調減産の順守状況を監視する組織。JMMCは発表文書で「原油市場は正しい方向に向かっている」との認識を示した上で、市場のリバランス過程で見られる兆候を注視し続けると表明した。さらに「リバランスに向けたすべての取り組みが可能となるよう、減産期限を2018年第1四半期から延長する可能性を含め、あらゆる選択肢に対して道は開かれている」としている。JMMCは次の会合を9月22日にオーストリア・ウィーンで開催する予定だが、減産合意の適用を免除されているリビアとナイジェリアにも会合への参加を要請する方針だ。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

 
世界のリスク
はじめての下落相場
年末高
ラクしてちょい稼
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせくださいイエレン言及なしで「金」は上昇。ドル安・ユーロ高から、「原油」は反発

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

イエレン言及なしで「金」は上昇。ドル安・ユーロ高から、「原油」は反発

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
世界のリスク
 
年末高
 
投資ワクワク
 
お宝優待株
 
人気記事ランキング
デイリー週間月間
投資の失敗
 
はじめての下落相場
 
はじめよう株主優待生活
 
人気ブロガー
 
NISAつみたてNISAロールオーバー
 
老後破綻
 
動画でわかる
 
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。