年利回り5%が期待できる金融商品は、買いか?

 ここで、クイズです。

<クイズ>以下の投信Aと投信B、どちらが良い投信でしょう?

出所:筆者作成

 未来のことはわからないのですが、わかってしまうとします。4年後に、投信Aは20%上昇しています。年平均5%と、魅力的なリターンです。投信Bは、4年後に5%上昇しています。年平均1.25%のリターンで、10年国債の利回りがゼロの時代に、これも、なかなかのリターンと言えます。

 未来のことがわかってしまうならば、投信Aの方が、明らかに良い投信です。ところが、現実には、未来のことはわかりません。もし、未来のことがわからないまま「年率5%の利回りが期待される」と薦められて、投信Aを読者の皆さまが買ったとしたら、その後どうなるか、考えてみてください。

 1年後には、15%も値上がりしています。予想以上の値上がりに喜び、ここで、余裕資金を持っていれば、追加で買うかもしれません。ところが、2年目以降、値下がりが続きます。2年目はなんとか我慢したのですが、3年目になると、当初元本を10%も下回るところまで、下がってしまいました。これ以上の下げには耐えられないと、基準価額9,000円ですべて売却してしまうかもしれません。

 相場は意地悪なもので、あなたが損失確定の売りを出した直後に急騰し、4年後には、期待通りの年平均5%のリターンを達成しています。あなたは、この激変に耐えられますか? この激変に耐えることが、リスクを負うということです。

「年利回り5%が期待できる金融商品に投資すべきか」という問いの答えは、あなた自身の中にあります。リスクに耐えられるか否か、考えてみてください。

 サラリーマンの生涯年収は、1億~2億円と考えられています。最初に行う、月々1万円の投資では、思い切ったリスクをとってみても良いと思います。ただし、どういうリスクか、自分で理解できるものにすべきです。

 理解したうえで、さまざまなリスクをとって、その結果を見て、学ぶことも大切です。将来、もっと貯蓄が増えたときに、きちんとリスクを管理しながら運用できるようになるために、若いうちは、いろいろトライしてみていいと思います。