株式投資を長く続けている方は、一度くらいは大きな含み益を経験したことがあると思います。

 株の上昇に巡り合うときは、とてもエキサイティングな気分になります。気が大きくなって、ついつい高値圏で買い増ししたり、普段の生活もちょっとぜいたくしてしまったり、「含み益」を担保にお金を使ってしまうのです。

 ところが、そのような生活も長くは続かず、株価急落で目が覚めたときには、逆に「含み損」と共生していかなくてはならない状況に陥るのです。

難しい株の「売り時」

 株式取引で一番難しいのは「売り時」です。

 そもそも、生きる上で「買う」は日常の行為です。好きなものを買ってストレス発散したり、買った物を使ったり、食べたりすることを考えると、ウキウキしますよね。

 逆に「売る」ことには、あまり慣れていません。品物に思い出を重ねたり、「まだ使える」などと考えて執着し、手放すことを躊躇(ちゅうちょ)することが多いと思います。

 この「売りたくない」という気持ちが、株式取引においては、取り返しのつかない損失に結びつくことがあります。2019年1月末に起きた「サンバイオショック」は記憶に新しいと思います。

図1:サンバイオ(4592)

 サンバイオは新薬を開発するバイオベンチャー企業で、新薬開発の進捗を期待して株価が急騰していました。

 ところが、1月29日15時に「新薬開発の臨床試験で主要評価項目を達成できなかった」と発表されてからは、4日連続のストップ安。1月21日の高値から数日で、株価は5分の1以下になってしまったのです。実に5,000億円程度の時価総額が消えてなくなりました。

 高値で1単元(120万円程度)買った投資家は、数日で100万円近く損失を被り、この銘柄に関わった多くの投資家が市場から退場を余儀なくされてしまったと思われます。サンバイオの株主の誰もが高値で「売っておけば良かった」と考えたと思います。

 東証マザーズ市場は全体の取引高の6割程度が個人投資家の売買であり、その個人投資家の売買の6割程度が信用取引での売買です(日本取引所グループのウェブサイトより)。

 そのため、過度に人気が出た銘柄は、信用取引(=借金)で株主の保有資産以上の買いが入るため、下がり始めると返済に追われて、下げ止まらないのです。

 では、このような悪材料が出た銘柄を保有していた場合、いったい何を目安に「売る」決断をすればいいのでしょうか。

 その目安の一つが「回転日数」です。