金は1,300ドル目前まで上昇

 金相場は上昇。再び1,300ドルをうかがう展開にある。

 北朝鮮情勢の悪化懸念が安全資産である金への資金シフトを促しているといえる。

 また、トランプ政権の政策運営能力への疑念も引き続き買い材料だ。そして、21日から今月末まで予定される米韓合同軍事演習が始まった。これに対して北朝鮮は強く批判している。

 一方、金融市場では、24~26日に開催される米ワイオミング州ジャクソンホールでの金融シンポジウムにも注目している。

 このイベントに参加するイエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長とドラギECB(欧州中央銀行)総裁は25日に講演する予定で、ここで将来の金融政策に関する言及があるかどうか、市場は注目しているようだ。

 ただし、ここでは具体的な言及はないと思われる。FRBは早期利上げを実施できる状況になく、これがドル安と低金利状態の継続につながり、金相場を中長期的に支えることになるだろう。

 一方、南アフリカの産金大手アングロゴールド・アシャンティが発表した上期決算は、人員削減の費用や訴訟に備えた引当金が影響して赤字となった。不採算の国内鉱山での最大8,500人の人員削減に関連して4,700万ドルの費用と、元従業員が起こした肺病関連の訴訟向けの引当金4,600万ドルを計上した。

 また、上期の設備投資は43%増の4億5,400万ドルとふくらんだが、下期の設備投資はさらに増加する見通しである。

 一方、1オンス当たりのAISC(オール・イン・サステイニング・コスト=生産継続に必要となる全コスト)は、前年同期比18%増の1,071ドルに上昇。南アフリカランドとブラジルレアルが対ドルで上昇したことが影響した。今後もドル安基調が続けば、為替面でのコスト増でドル建て貴金属価格は上昇せざるを得なくなるだろう。

非鉄は堅調に推移

 非鉄相場は総じて堅調に推移。LME(ロンドン金属取引所)在庫はアルミが急増したが、これは価格上昇による余剰在庫の持ち込みが背景にあるものと思われる。

 アルミは反発し、高値を維持。銅は一時6,600ドルを超えて、高値を更新。きわめて強い動きにある。ニッケルも急伸し、1,1330ドルまで上昇。亜鉛も一時3,180ドルまで上昇し、高値を更新した。鉛は反落している。市場センチメントは極めて強くなっており、地合は明確な形で変わってきている。この強い相場は2020年ごろまで続くことになるだろう。

 一方、ILZSG(国際鉛・亜鉛研究会)によると、6月の世界亜鉛市場は2万5,000トンの供給不足となり、不足幅は5月の4万トンから縮小した。1~6月では20万3,000トンの供給不足。前年同期は19万7,000トンの供給不足だった。

 6月末の消費者、生産者、取引所倉庫の在庫は116万トンで、5月末の135万トンから減少した。

 6月の世界鉛市場は1万4,700トンの供給不足となり、不足幅は5月の2万7,000トンから縮小した。1~6月は8万6,000トンの供給不足。前年同期は2万8,000トンの供給過剰だった。

供給過剰感解消が一服し、原油は反落

 原油は反落。供給過剰感の解消が進むとの見方から、前週末は買われていたが、この日は期近限月の最終取引日を前に上げが一服した格好である。

 WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の9月限は22日が取引最終日である。原油相場は前週末に3%上昇したことから、利益確定売りが出やすかったともいえる。

 世界の石油需給バランスの改善については、米国の増産が足かせになっている。ただし、米国内の石油掘削リグ稼働数は過去3週で2週が減少だったこともあり、増産の勢いが衰えるとの見方もある。

 一方、米国の原油在庫は想定以上に早いペースで減少している。市場では、18日までの週の米国内の原油在庫は前週比340万バレル減少したとみている。この通りになれば、在庫減少は8週連続となり、米国内の石油需給の改善傾向が続くことになる。

 また、石油コンサルタント会社ペトロロジスティクスによると、サウジアラビアの輸出減やほかのOPEC(石油輸出国機構)加盟国による減産により、OPECの8月の原油供給量は減少する見通しである。同社によると、8月のOPEC加盟14カ国の供給量は日量3,280万バレルで、前月から同41万9,000バレル減少する見通し。

 さらに、OPECの原油輸出量が8月前半に日量75万バレル減少したとしている。サウジは原油輸出を前年同月の水準を100万バレル下回る日量660万バレルまで減少させる方針を示しており、世界の石油需給は着実に改善しているといえる。市場はまだこの点をほとんど織り込んでいない。